みなさん、こんにちは。つくばスタイル特派員のしらゆきです。
秋の味覚の代表格「きのこ」の魅力を知ってもらおうと、きのこをテーマにした企画展がつくば市で開催されています。
きのこの世界をもっと知ることのできる「きのこ展」についてご紹介します。
9月29日まで、つくば市天久保にある国立科学博物館筑波実験植物園で開催されている「きのこ展」。2010年に始まってからほぼ毎年開催されており、今年で9回目を迎える同展には、毎年大勢のきのこファンが集います。
今回は「地下にもぐったふしぎなきのこたち」をサブテーマに、高級食材として知られるトリュフとその仲間について紹介しています。
この企画展を企画した筑波実験植物園の保坂健太郎さんによると、トリュフは地下に生えるきのこの総称で、 実は日本にも多様なトリュフが分布しているのだそう。日本の食文化では松露(しょうろ)が知られていますが、それ以外はあまり食されていないのだとか。
ここでは、日本と世界のさまざまなトリュフについて、約50種の標本やパネル展示などで詳しく解説しています。
最近の研究結果がパネルで展示されており 、もともと地上に生えていたきのこが地下に潜るように進化したことが明らかになったのだそう。風に乗って胞子を飛ばすのではなく、香りを強くすることで動物に食べてもらい、フンに交じって胞子を拡散させるトリュフ。「その面白い生態に興味を持ってもらえたら」と保坂さんは語ります。
パネルと標本展示の他にも、展示物も充実しています。トリュフを探すときに使う熊手や地下生菌の図鑑、松露が使われている和菓子「松露羊羹」など幅広いものを見ることができます。
展示されていた熊手はどれも小型。というは、トリュフは落ち葉のすぐ下の地面の浅いところに生えているため、掻きわけて探すのに小型の熊手が最適なのだそう。
トリュフには黒と白があることは知られていますが、両方の香りを比べてみるコーナーがありましたよ。両方の香りを一度に嗅ぐというのは、あまりない機会です。
透明ケースのふたをそっと開けて香りを嗅ぐと、いずれも鼻腔を刺激する香りが!一般的には、黒トリュフは”海苔の佃煮”、白トリュフは”にんにく臭”と評されるその香りですが、ぜひご自身で確かめてみてくださいね。
きのこ画コンテスト(通称「きのコン」)の応募作品が飾られた展示スペースには、子どもから年配の方まで、たくさんの方が描いたきのこのイラストがずらり。きのこを本物そっくりに描いていて、まるで写真のようなものや幻想的で独自のきのこワールドを描いたものなど個性的な作品ばかりです。これだけ多くの方がきのこに愛情を持っていることが伝わってきます。
”絵の上手さ”を競うのではなく、きのこ愛を審査するというこのコンテストでは、 応募作品の中から来年度の企画展のポスターにそのイラストが使われるという一面も兼ねています。どの作品が選ばれてもいいくらいの力作が並んでいました。
多目的温室では、生きのこの展示があります。温室といってもきのこが気持ちよく過ごせるよう、冷房で冷やし、加湿しているのだそう。人には肌寒いくらいで湿度が高い空間がきのこにとっては快適なんですね。
こちらでは、つくば市内を中心に、日本各地で採取された野生のきのこを期間中250点以上展示しているのだそう。また、代表的な栽培きのこについては、栽培状況がわかるような形で展示がされているのだとか。
写真撮影もOKで、触って感触を確かめたり、匂いを嗅いでみたりと五感を使ってじっくり観察できますよ。
例年好評なのが、園内に生えているきのこを”きのこ博士”こと保坂さんの解説付きで見学する「園内きのこ案内」。事前予約は不要で、期間中毎日開催されます。実際に園内に生えているきのこを詳しく分かりやすい解説で見られるツアーとあって大人気です。
この他にも、きのこアート作品の展示、セミナー、シンポジウム、プラバンの工作体験、きのこグッズの販売など催しもたくさんありますよ。
きのこワールドをたっぷり体感して、大人も子どもも楽しめるこの企画展。食べ物とは違った目線できのこについて知ることで、秋の深まりを感じてみてはいかがでしょうか。
以上しらゆきがお届けしました。
所在地:つくば市天久保4-1-1
開催期間:9月21日(土)~9月29日(日)
開園時間:9時~16時半(入園は16時まで)※期間中休園なし