こんにちは!特派員のNANAOです。
厳しい暑さが続いていますね。今回は夏休み中の小学生の息子と一緒に、少しでも涼しい気分を味わおうと、国立科学博物館筑波実験植物園で開催されている「水草展」に行ってきました。
筑波実験植物園は、つくば中心部から車で約6分。つくば駅からバスでも行くことができ、最寄りのバス停からは徒歩約3分です。つくばサイエンスツアーバスで行ける6つの研究教育施設の1つにもなっています。
園内に入場して目にとび込んでくるのは、日本を代表するプロのレイアウターさんたちによる色とりどりの水草水槽。水草の色彩の豊かさを感じらせる作品や、南国の海を思わせる作品など、それぞれに世界観があります。私の他にも熱心に写真撮影されている方たちがいました。
毎回大人気の「自分だけのアクアリウムを作ろう」ワークショップは、席ごとにパーティションで遮られており、感染防止策がとられていました。水草のオプションには、なんと「まりも」も!
マイアクアリウムに「まりも」を1つ入れれば、気分は一気に北海道ですね。
わが家は誰でも参加できる「みんなで植える水草水槽」コーナーに挑戦しました。水草をトリミングした後にピンセットでつまんで植えるのですが、水草が浮いてきてしまうのでコツが必要です。最初は何もなかった水槽が、大勢の人の手で少しずつ森のように育っていきます。私たちは初日に行ったのですが、最終日にどんな風になっているのか楽しみです。
「水草展」の特設サイトで、日々変化していく水槽の様子を見ることができます。特設サイトには、他にも開催前準備段階からのスタッフの方々のブログも掲載されています。
5億年前に水中から陸上に進出した植物は、さまざまな進化をとげて再び水中に潜り、そこから水草が誕生したということです。今回の水草展でも多様な生活様式を持った多くの水草が展示されています。
数年ごとに開催されている「水草展」の今回のテーマは、「旅する水草」。水草が旅するって、どういうこと?と最初に聞いた時は首をかしげました。最近の研究で、水草はこれまで考えられてきた以上に長い距離を移動できることがわかってきたそうです。研修展示館では、水草が移動する仕組みがわかりやすく展示されていました。
例えばフランクフルトのような「ヒメガマ」の穂ですが、穂がバラバラになると果実はフワフワの綿のようになって風で遠くまで飛んでいくそうです。アクリルケースの中にヒメガマの果実がたくさん入っており、ポンプで風を送るとふんわりと舞い上がっていました。水草にもタンポポの綿毛のように風を利用するものがあるんですね。
驚いたのは、一部の水草では、茎と葉の一部がちぎれた「切れ藻」で移動できること。なんとわずか1cm程度の切れ藻から根や葉を出し、定着することができるそう。葉の一部からでも植物体を再生できる種もあるとのことで、その生命力には目を見張るものがあります。他にもさまざま方法で広い範囲を移動していることがわかりました。
研修展示館2階には海外での水草調査に使われた道具類が展示されており、息子は興味津々。フィールドに行く調査員は、さながら冒険家のようです。数年前にミャンマーでフィールド調査が行われた際のパネル展示もありました。今は自由に旅することが難しいですが、水草展で旅する水草や調査の旅に思いをはせることができました。
最後の写真は、つくばエリアで見られる水草です。癒やしや涼を与えてくれる水草展ですが、ただその姿を観賞するだけでなく学びのある展示となっており夏休みの自由研究の参考になりそうです。
以上、NANAOがお伝えしました。
【国立科学博物館 筑波実験植物園】
http://www.tbg.kahaku.go.jp/
住所:茨城県つくば市天久保4丁目1-1
開園時間、休園日:公式HPからご確認ください
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入園前の検温・手洗い・手指の消毒・マスク着用・咳エチケットにご協力ください。尚、自然史標本棟1階見学スペースは閉館中。