こんにちは。つくスタ特派員のサヤです。
心地よい風が吹きぬける、気持ちの良い季節になってきた今日この頃。
色鮮やかな自然やおいしいグルメ…と楽しみはいっぱいですが、今回は36年ぶりに復活した民俗芸能を見に、つくば市で行われたイベントに行ってきました!
つくばエクスプレス(TX)つくば駅から西へ車で20分。訪れたのはつくば市上郷(かみごう)にある金村別雷神社(かなむらわけいかづちじんじゃ)で行われた「例大祭」。
金村別雷神社は以前、「映画・ドラマのロケ地「上郷」の街を行く」の中でTAKAKOさんが紹介してくれた、関東三雷神の一社です。
今回のお目当ては、このお祭りで披露される、つくば市田倉(たくら)に伝わるという「田倉三匹獅子」の演舞!
今から約300年前の江戸時代中期、疫病が流行した際に厄災を取り払おうと、村人達が獅子舞に祈りを込めたのが始まりとされています。
厄除祈願や神社の遷宮などの特別な時にのみ出舞する格式の高い舞で、1985年に開催された国際科学技術万博(つくば万博)での披露を最後に継承が途絶えていました。
この民族芸能を復活させようと、地元のみならず多くの人々の協力により、36年ぶりに私たちの目の前でお披露目されるようになって今回が2回目!
つくば市無形民俗文化財にも指定されている「田倉三匹獅子」とは一体どんなものなのか。
伝統芸能に触れる機会のほとんどない私でも興味が沸きました!
金村別雷神社の立派な鳥居をくぐると、見えてきたのはこの日を心待ちにしていたであろう見学者。
つくばを、そして上郷への愛がビシビシ伝わってくる「ケンニイ」の歌声で会場が盛り上がっていました。
そして、いよいよ三匹獅子の登場です!
太鼓や笛の音と共に、梵天(ぼんてん)を先頭に獅子が入道してくると、見学に来ていた人たちが一斉にシャッターをきります。
人々の関心の高さがうかがえます。
年季を感じる三匹の黒塗りの獅子頭は、まるで龍のよう。
角や鳥の羽根でできたたてがみがとても立派で、近くで見ると迫力があります。
舞の主な内容は、中央に据えられた梵天を悪いものに見立て、それを三匹獅子が退治するというもの。
伝統芸能だし、難しい内容なのかな…とやや不安がありましたが、
ストーリーは現代風にアレンジされており、さらに先ほどまで美声で熱唱していた「ケンニイ」による分かりやすいナレーションも加わり、しっかり理解しながら舞を楽しむことができました。
昔にタイムスリップしたようなノスタルジックな雰囲気が漂う中、壮大な神社の前で舞う獅子たち。
その様子は、まるで今流行りのアニメ「鬼滅の刃」のワンシーンのよう…。
そう思ったのは私だけではなかったようです。
一緒に訪れていた子どもたちが、「あのお面の人、刀鍛冶の人だ!」と指さした先には、いたずら好きの「ひょっとこ」が!
笑顔(?)で手を振ってくれる「ひょっとこ」を、まるで聖地巡礼にでも来た様子の子どもたちは、キラキラとした目で見ていました(^^;
時を経て復活した「田倉三匹獅子」。
新型コロナウイルスが流行する中で、当初の「疫病退散」という祈りを込めて舞う地元の人々の姿に、見ている私も心の中で祈るような気持ちになりました。
先進的な取り組みが話題になりがちなつくば市ですが、こういう古い歴史や文化もちゃんと大事にする。素敵ですね。
以上、爽やかな気持ちになり、帰り際、園芸コーナーで散財してしまったサヤがお届けしました(‘◇’)ゞ