みなさん、こんにちは。つくばスタイル特派員のしらゆきです。
突然ですが、正月飾りを持ち寄って、燃やすことで無病息災や五穀豊穣を祈念する「どんど焼き」をご存じでしょうか?
私が子どもの頃には、地元で毎年行われていた行事ですが、ここ最近ではあまり見かけなくなりました。
つくば市で、その「どんど焼き」が行われると知り、さっそく家族で行ってきました。
訪れたのは、つくば市北部にある小田地区。
つくば市で二番目に高い山である宝篋(ほうきょう)山のふもとで、昔ながらの情緒あふれる街並みが残るエリアです。
小田の街歩きの様子は、特派員のTAKAKOさんが先日レポートしてくれていますよ。
「どんど焼き」とは、1月15日ごろの小正月に行われる日本の伝統行事。家に飾ってあった松飾りやしめ縄を、竹やわらで作った「やぐら」と共に燃やします。
小田で開催されている「どんど焼き」は、今回で30回目を迎えるのだとか。
年を重ね、つくばを代表する冬のイベントのひとつとなっています。
会場となったのは、国の史跡にも指定されている「小田城跡歴史ひろば」です。
ここは、鎌倉時代から戦国時代にかけて、現在の茨城県南部地域で勢力をふるった小田氏の居城跡。
現在は、遺構復元広場として整備され、昔あった小田城を体感できる場所となっています。
この周囲を取り囲むように、全長約180キロにも及ぶサイクリングロード「つくば霞ヶ浦りんりんロード」が走り、筑波山や宝篋山を見ながらサイクリングができる絶好のロケーションです。
この日は、どんど焼きと併せて、「小田城冬の陣」というイベントもありました。
一日を通して楽しめるよう、和楽器の演奏や弾き語りなど、さまざまな催しが行われました。
お子さん向けには、ベーゴマや羽つきなど昔ながらの遊びのコーナーが用意されていましたよ。
16時ごろになると、どんど焼きを待つ多くの方で会場は賑わっていました。
食べ物の屋台もあり、お祭りムード一色♪
地元の小学生をはじめ、小さなお子さん連れのご家族もたくさん遊びに来ていました。
「今年もよろしく」とお互いに言葉を交わす様子が会場のあちこちで見られ、地域の方にとって新年の挨拶の場にもなっているようです。
どんど焼きの会場には、見上げるほどの高さのある「やぐら」が竹で組まれ、わらが敷き詰められた土台の周りには、たくさんの松飾りやしめ縄、だるまなどが積まれています。中には、掛け軸やぬいぐるみなどの人形もありました。
来場者が持ち寄った正月飾りが次々と積み重ねられていきます。
神社の神主さんの祈祷を終え、いよいよ火入れです。
地元の小学生数名が長い竹の棒についた火で、やぐらの土台に点火します。
スタッフの方のカウントダウンにあわせて点火されると、あっという間にやぐら全体に燃え広がりました。
火柱が立ち上り、あまりの火の勢いに、近くで見ていた人たちも一旦離れた場所に避難します。
火がやぐらの上までまわり、やぐら全体が火の海に包まれました。
どんど焼きを初めて間近で見た息子は、竹が燃えるときに発する「バン」という爆発音に、さらにびっくりしたようです。
やぐらの先端が燃え崩れた頃、長い竹の棒を手にした人たちが火の近くに集まってきました。
よく見てみると、竿の先端に餅が取り付けてあります。
この火で焼いた餅をを食べると、風邪をひかないといわれているのだそう。
餅をそのまま焼くと焦げてしまったり、すすが付いて食べにくくなるので、初めからアルミホイルをまいた餅を持参するという手慣れた方も。
たくさんの人が竹に刺した餅を一斉に火にかざし、焼きあがるのを待つという、どんど焼きならではの光景が見られました。
日暮れの時間が過ぎ、あたりが暗くなってきた頃、さらなるイベント、打ち上げ花火がありました。
冬の澄み切った夜空に次々と打ちあがるスターマイン。
花火が打ち上げられるときの「ドーン」という音が心にまで大きく響き、迫力ある花火を堪能できました。
会場の真上に見事に咲いた大輪の花に、大勢の方が拍手を送っていました。
最近は、あちこちの自治体で「どんど焼き」自粛のニュースを耳にしますが、
これからの子どもたちにも伝えていきたい、大切な日本の伝統行事のひとつです。
無病息災を願って、また次回も家族みんなで訪れたいと思うイベントでした。
以上、しらゆきがお届けしました。