みなさん、こんにちは。つくばスタイルブログ特派員のしらゆきです。
明けましておめでとうございます。
今年もつくばエリアの旬な情報をお届けできるよう頑張ります。宜しくお願いします。
子どもたちがアートに親しめる「アートデイキャンプ」など、多彩なイベントが開催され、芸術を身近に感じることができるつくば市。市民が気軽にアートに触れられるよう、つくばエクスプレス(TX)つくば駅から徒歩約3分の場所にある「茨城県つくば美術館」は、個展などさまざまな美術作品の発表の場として利用されています。
今回は、そんなつくば市で現代墨彩画家として活躍している方をご紹介します。
つくば市在住の現代墨彩画家で、国際書画連盟の理事を務める堀川恵子さん。国内の数々のコンクールでの入賞はもちろん、海外の展覧会での入選など活躍の場を広げています。
堀川さんがに手にしている作品は、2018年に国際書画選抜展に入賞した『希望』で、荒波を乗り越える鳳凰と母をイメージした富士山を描き、愛と希望を描いたもの。
右は、2011年に国際書画展大賞を受賞した『アートを通して、世界を一つに』で、世界平和や希望の光を神々しく描いた作品です。
いずれも宇宙や未来を思わせる、光あふれる希望がテーマとなっており、壮大なスケールで描かれた大作から迫力が直に伝わってきます。
お母様が現代墨彩画家で、幼少の頃から絵が身近な環境であったという堀川さん。そのお母様の跡を継ぐようにして、同じ道を進んできたのだそう。
現在は自身の創作活動の傍ら、7年ほど前からつくば市の公民館にあたる交流センターで、現代墨彩画教室や子どもの絵画教室を主宰しています。
どのようなレッスンが行われているのか、それぞれの教室を見せてもらいました。
初めに訪れたのは、二の宮交流センターで行われている大人対象の現代墨彩画のクラス「薔薇の会」。6名の生徒の方が出席していました。
机上には、墨彩画を描くのに必要な紙や顔料、筆や皿などの用具がたくさん。書道の墨や筆ではなく、墨彩画用の墨や専用の柔らかな毛筆を用いて描くのが現代墨彩画の特徴です。
“現代墨彩画”とはあまり聞きなれない言葉ですが、簡単に言うと墨と絵の具を使って描く絵のことです。和とも洋とも言い切れないような、力強さとしなやかを兼ね備えた魅力があります。墨と顔料を用い、現代の技法を取り入れた大胆な描画は、見る人の心を惹きつけます。
先生のお手本を見ながら、生徒のみなさんが熱心に描いていたのはポインセチアの花。鉛筆での下絵はなく、いきなり筆で描く現代墨彩画は、まさに“一筆入魂”。集中力が問われます。
“三墨法”と呼ばれる、筆に濃淡の墨や顔料をつけ3色を一度に塗る方法は、墨と調和したグラデーションが美しく、その色合いが映えます。
堀川さんが筆を握ると、真っ白な和紙に下りた筆が力強くすっと曲線を描き出します。植物の花びら・葉の一枚一枚がまるで今にもふわっと揺れだしそうな、ダイナミックな絵へと仕上がります。
生徒のみなさんも先生の筆の動きを熱心に見つめていました。
「この色の滲み具合が素晴らしい!」「この色味がいいですね」やさしく褒めてくれる堀川さんのレッスンでは、終始和やかな雰囲気。
通って4年目になるという生徒の方にお話しを伺うと、笑顔で「筆のタッチが難しい」と話していました。
「上達が早い」と堀川さんが太鼓判を押すほどの腕前の生徒のみなさんの作品は、どれも素晴らしく、味わい深いものになっています。二時間のレッスンがあっという間で、集中している様子が印象的でした。
一方、子どもの絵画教室「夢いっぱい子ども絵画教室」は、つくば市内にある堀川さんの自宅と松代交流センターで開催されています。
幼稚園から小学生のお子さんが通い、絵を描くさまざまな技法を学ぶ他、絵を通して自分の思っていることを表現する場となっているのだそう。
この日のレッスンに出席していた10名の生徒のみなさんが熱心に絵を描いていました。使う画材は色鉛筆や水彩絵の具、パステル、クレヨンなどさまざま。
レッスンでは、デッサンや水彩画など、絵を描く上での技法を基礎から学ぶことができます。
自身も二人のお子さんを持つ堀川さんは、“褒めて伸ばす指導”を心がけ、子どもたちが楽しく絵を描けるようアドバイスしています。
ストレスや思っていることをため込んでしまい、感情に蓋をしてしまう子も多いという今日、その思いを表現することが大切だと堀川さんは言います。
普段感情をうまく表に出せない子どもたちが自由に描くことが大切で、それは絵の出来具合にかかわらず、心のケアにも役立つのだそう。
この日のレッスンに来ていた小学3年生の女の子に話を聞いたところ、「元々絵を描くのが好きで、2年ほど前から通っています」と話してくれました。描いていたのは、見事な富士山の絵。雲海に浮かぶ富士山の稜線を鉛筆で描いていました。
他にも植物の絵を繊細に描いている子もいたりと、小学生とは思えない丁寧な作品ばかりで、目を見張るものがありました。
夏休み中には、学校の宿題の絵に取り組んだり、貯金箱やハーバリウムの工作を行うなど、内容も幅広い「夢いっぱい子ども絵画教室」のレッスン。
通年で通うのは難しくても、夏休みなどの数日間だけ取り組める機会があるのはうれしいですね。
今年の抱負を堀川さんに伺うと、海外の作品展への出品や論文発表を考えているのだとか。
アートが人に何をもたらすのか、分析した結果をまとめているそうで、「芸術を通して、社会に貢献したい」と話してくれました。
このほか、並木交流センターでも大人向け現代墨彩画のクラスも主宰している堀川さん。つくばでアートな自己表現ができる教室があることはうれしいですね。
教育環境の整うつくば市では、さまざまな習い事があります。子どもはもちろん、大人になっても「学びたい」と思う向上心は持ち続けたいものです。
新年の目標として、何か新しいことにチャレンジしてみるのもいいですね。
以上しらゆきがお届けしました。
■現代墨彩画家 堀川恵子さんFacebook