みなさん、こんにちは。つくばスタイル特派員のしらゆきです。
41年前からコンピューターの教育利用を行っているつくば市。
市内の小中学校で導入している先進的ICT(情報通信技術)教育は全国屈指です。
先日、つくば市立みどりの学園義務教育学校を柴山昌彦文部科学大臣が訪れ、ICTを活用した教育現場の視察を行いました。
文部科学大臣がつくば市の学校を訪問することは初めてとのこと。その様子を取材してきました。
2018年4月に開校した「みどりの学園義務教育学校」は、つくばエクスプレス(TX)みどりの駅から徒歩約5分という恵まれた場所に位置し、周囲には閑静な住宅地が広がるほか、緑豊かな公園がたくさん整備されています。
小学1年生から中学3年生にあたる9年生までが一緒に学ぶ、つくば市の公立小中一貫校である同校。9年間という長い学びの連続性を活かし、先進的ICT教育やプログラミング教育、科学・数学・芸術に力を入れるSTEAM教育などを積極的に展開しています。
ガラス張りで明るい光が差し込む校舎は、木の温かみを活かした造りとなっています。廊下との間仕切りを取り払うことができる教室は、開放感いっぱいです。
キーボード付きタブレットパソコンが円形テーブルに設置されているPCルームや図書の閲覧やタブレットの活用もできるメディアルームなど、子どもたちが効率よく学べるような環境が整う校内。
無線LANが構築され、各教室でタブレットや大型提示装置を使った授業が展開されています。
11月に『新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて~柴山・学びの革新プラン~』をとりまとめた柴山文科相。
この実現に向けて、視察先としてつくば市の学校が選ばれたことは、長年に及ぶつくば市のICT教育の取り組みがあったからこそ。
柴山文科相は毛利靖校長の案内で各教室で行われている授業を視察し、学園生へ具体的に質問をしたり、笑顔で声をかけたりしていました。
どのような授業が行われていたのか気になりますよね。
視察があったのは、理科、数学をはじめ、英語やプログラミングなどさまざまな授業でした。
こちらは小学2年生の図工の授業です。
大型提示装置を用いて、文部科学省が開発した子ども向けのプログラミングソフト「プログラミン」を活用した発表でした。
プログラミングした話の内容に合わせて大きな音が出るなど工夫が見られました。
低学年でもしっかり使いこなしていますね!
PCルームで行われた小学3年生のオンライン学習の授業では、円形テーブルに設置されたキーボード付きタブレットパソコンを一人一台ずつ使い、個々の理解度に合わせた学習を行っていました。
このオンライン学習システム「つくばチャレンジングスタディ」は在宅でも学習可能で、学習履歴や間違えた箇所が一目でわかり、今後の学習に役立てることができます。
このほかにもドローンを扱ったり、「スクラッチ」と呼ばれるプログラミングソフトを使ったりと、私のような親世代からすると未知の授業が次々と展開され、ただ驚くばかり。
これからは英語、プログラミングが必須となる小学校の授業。子どもに質問されたときにさっと答えられるよう、こっそり勉強しておく必要があるな…と感じました。
視察の最後に校務センター(職員室)を訪れた柴山文科相。
ペーパーレス化が進み、整理整頓がされている校務センターで防災システムや防犯カメラ、教員が連絡を取り合うのに利用する校内PHSなどの設備を視察していました。
私の抱いていた“書類が山積み”という職員室のイメージとは違い、この校務センターはシンプルでありながら機能的で、整然としていることに驚きました。
今日の視察を終えて、柴山文科相は「私が受けた教育と違い、大きな驚きを感じた」との感想を述べました。
「一部の自治体だけでなく、国レベルで全国的に他の地域の底上げもしていきたい」とも話しており、つくば市が先駆けとなって、よりよい教育環境整備が全国へ展開していくのではないでしょうか。
視察が終わった後、記者団の前で学園生による学校紹介と科学部9年生によるプログラミングのプレゼンテーションがありました。
自分たちの通う学校の紹介や習得したプログラミングについて、大型提示装置を使った英語での発表です。
流ちょうな英語での素晴らしいプレゼンテーションで、外国語教育にも力を入れていることがわかりました。
この日の授業はつくば市内の公立小中学校では通常に行われているもので、視察のための特別なものではないとのこと。
このような深い学びが実現できる教育環境がつくば市に整備されていることをうれしく思いました。
以上しらゆきがお届けしました。