みなさん、こんにちは。つくばスタイル特派員のしらゆきです。
日々の生活の中で、一息つける自分のためだけの時間というのは貴重ですね。
今回は和の落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりできる素敵な甘味処をご紹介します。
場所はつくばエクスプレス(TX)つくば駅から車で約5分。「NAMICHIDORI茶房」は、小野崎の奥まった道沿いにあります。
この周辺には大型商業施設「LALAガーデンつくば」があり、表通りは賑わいがありますが、一本道を入ると、住宅地が広がる静かなエリアです。
「NAMICHIDORI茶房」の入り口は、しっとりと落ち着いた和の佇まい。
外観だけでは甘味処とわかりにくいものの、営業時間中には外に看板が置かれ、天気のいい日に出される赤い野点傘が目印なのだとか。
のれんをくぐって中へお邪魔します。
出迎えてくれたのは、「NAMICHIDORI茶房」を切り盛りされている店主の伊原さん。
着物姿が凛々しいのは、それもそのはず。茶道裏千家の教室も運営しているという店主。最近は和服の男性を見かける機会も少なく、とても新鮮に感じました。
ここを日本文化について知ってもらう入口にしたいという店主の思いから、2016年12月にお店をオープン。普段はお茶と着付けの教室を開いている場所で、教室のない時間に茶房を開いているのだとか。
高校時代まで過ごしたつくば市を一旦は離れたものの、またつくばに戻ってきたという店主。
つくばを離れている間、住宅が増えたことにとても驚いたのだそう。
TXの開業もあって、この10年ほどで飛躍的につくばエリアが発展したということですね。
和のお店なのに、店名が「波千鳥」のローマ字表記と「茶房」というちょっと意外な組み合わせ。
「波千鳥」とは、世間を表す波とそれを乗り越える千鳥が描かれた和柄のことで、夫婦円満や家内安全の縁起柄として知られています。
「波千鳥は縁起物の和柄の文様。知らないという方も多いので、ローマ字表記にした方がかえって親しみやすいかと思いました」と店名の由来を店主が話してくれました。
このお店のコンセプトは、気軽に和の雰囲気を楽しんでもらうこと。
花が活けられ、掛け軸のかかった床の間のある和室。その畳の上にテーブルとイスが置かれています。
ここでは細かな茶道の作法は必要なく、この空間を楽しめます。
聞こえてくるのは、和室にある釜から湯が沸く音。
手入れの行き届いた見事な茶庭を見ながらいただくお茶は、味も格別。庭を彩る花々として、梅雨前にはアジサイ、これから秋にはもみじの紅葉が楽しめるのだとか。季節の移ろいを感じる庭、素敵ですね。
店内の照明をやや暗くし、BGMがないのも、庭の様子がよくわかるようにという店主の気遣いから。
降り出した雨がかすかに葉を揺らす音。小鳥が枝から飛び立つ音。普段なら気づかないような音がとても心地よく感じました。
オススメメニューのあんみつは、こしあんとつぶあんから選ぶことができます。国産のテングサを使用した寒天と十勝産のあずきを使ったあんの組み合わせは、ほっとするおいしさ。
抹茶はその場で店主が点てたものをいただくことができます。抹茶というと苦みがあるイメージでしたが、いただいたものは甘みがあり、ほとんど苦くありません。
「本日の和菓子」はなんと店主自ら手作り!この日は「着せ綿」という菊をあしらった秋のお菓子で、しっとりとした上品な甘さが口の中に広がります。
上質な器でいただく、季節感を表現した和菓子は、より味わい深いものとなっています。
「日本文化をもっと身近なものに。そして、若い方にもいいなと思ってほしい」と話す店主。
茶道教室には、大人の方はもちろん、小学生も通ってきているそう。
季節の趣を楽しめる「NAMICHIDORI茶房」で、喧噪を忘れ、和の雰囲気にひたってみてはいかがでしょうか。
以上、しらゆきがお届けしました。
住所 つくば市小野崎437-1
電話番号 029-851-9361
営業日 水曜・金曜・日曜
営業時間 10時~17時(ラストオーダー16時30分)