どーも、ヤギッチです♪
広々とした庭を楽しめる戸建てが多いつくばエリアでは、ペットを飼うご家庭も多くいます。
夕暮れどきになると、歩行者専用道路ペデストリアンデッキや筑波山の見える農道などで、犬の散歩をする方の姿をよく見かけます。
そこで今回は、「つくばお散歩会」の様子をご紹介♪
伺ったのは、高崎自然の森公園。
地域の里山を解放しており、自然とのふれあいができる公園。広い敷地に散策路が設けられていて、散歩にはピッタリな場所です^^
「つくばお散歩会」は、いわゆる犬のしつけ教室とは異なり、犬の「社会化」の促進を目的とし、定期的に開催されている取り組みです。
人懐っこく飛びついてしまう犬や、人だけでなく他の犬にも怯えてしまう人見知り(犬見知り?)犬など5組が参加。
今回のお散歩会では、横浜や千葉など他県から参加する方ばかりでした。
高崎自然の森公園のような広々としてのどかな公園は、犬だけでなく人間もリフレッシュできるので県外からも来る価値があるそうです^^
犬の社会化…と聞いてもピンと来なかった私。
散歩に行く時、主人の後をついていく犬のこと?お手やお座りをする犬のこと…?
と思いましたが、それは違うそうです。
例えば、犬の散歩で不用意に他犬に近づいて吠えられ、喧嘩になっているワンチャン…よく見かけませんか?
人懐っこい犬が単に遊びたくて近づいただけかもしれませんが、これを人間で考えてみてください。…見知らぬ人に、いきなり近づいて「遊ぼうよ!」と声をかけますか?
人間だったら家庭や幼稚園などで自然と身に着く社会性。しかし犬の場合、生まれてすぐペットショップなどに運ばれ、それを身に着けぬまま人間社会に身を置いてしまいます。
そういった犬に、犬同士の関係の築き方や、人間との付き合い方などを身に着けてもらうことが、お散歩会の目標とする「犬の社会化」です。
犬にも個々の性格があるのは当たり前ですが、犬種によっても性質が異なります。
プードルやゴールデンレトリバーのような犬は、どちらかというと人間社会に溶け込みやすい犬。柴犬や秋田犬などの日本犬やハスキーなどは、動物的な性質の持ち主なのだとか。
お散歩会では、そういった犬の性質を理解した上で、個々の性格を鑑み、楽しく社会性を身に着けるような散歩を試みます。
参加した方の話によると、柴犬や秋田犬のような「日本犬」も見てくれる会は珍しいとのこと。
「お散歩会」という名前のとおり、始めは犬同士、距離を保ちながら散歩をします。
一緒に散歩をすることで、「他人」から「顔見知り」になり、匂いを嗅いで「知り合い」になって、徐々に他犬や他の飼い主に心を開くようになるのだとか。
…このお散歩効果、私も実体験しました!
初対面で私が不用意に近づき、とあるチワワに警戒され吠えらたのですが、散歩をしたら、フリフリと尻尾を振って足元に来てくれるようになりました。「背中撫でて」とおねだりもしてくれましたよ♪
ちなみに距離を置いて一緒に歩いただけで、飼い主の方に変わってリードを持ったりはしていません。
人間にとっては「離れすぎじゃない?」と思う距離でも、嗅覚の鋭い犬にとってはコミュニケーションのとれる範囲なんですね♪
人見知りの激しい犬に対しては、写真のようにしゃがみ、目を合わせないよう背を向け、犬の方から近づいてくれるように待ちます。
主催者の方に「よく人が『かわいい!』と、いきなり見知らぬ犬を撫でようと手を出して吠えられたり噛まれるという事がありますが、これも人間で考えると当然のこと。知らない人からいきなり「かわいい!」と抱きつかれそうになったら、抵抗しますよね?それと一緒です」と説明を受け、なるほどなと思いました。
お散歩によって「知った顔」になったら、次のステップ。
人見知りの犬をより人馴れさせる為に、この日は個体限定でトリーツを使用しました。
社会化におけるトリーツ使用は、単に餌をあげるものでは無いので下記の点に注意です。
①飼い主以外の人がトリーツを与える場合、お散歩を一緒にして犬の警戒心を解いてからにすること。
それをしないまま与えると、犬は人を警戒しながらも目先の食べ物だけに誘引されて、肝心の警戒心は解けないままになってしまいます。
②まずは対象となる犬の飼い主がトリーツを与えます。
トリーツボックス(容器)の中にチーズを塗って、トリーツボックスの良い印象を犬に関連付けます。
③飼い主以外で対象犬に少し慣れてきた人が、トリーツボックスを持って犬が来るのを待ちます。
ドッグフードのようにパクパク食べるものではなく、チーズなどペロペロ舐めるような食べ物にすることで、間接的に他人との接触時間が長くなります。
犬の警戒心を解いてから与えるトリーツは、その人との関係性を深める効果がもてるツールとなります。
④特に警戒心が強い犬にはトリーツボックスは有効で、最初に飼い主が「トリーツボックス=安全・安心」という印象を関連付けておくことで、他人がトリーツボックスを手にしたとき、犬にとって安心材料となります。
⑤トリーツを他人に与えてもらう時は、飼い主が用意したトリーツを他の方に手渡すところを犬に見せます。
もしも他人のバッグやポケットからトリーツを取り出すところを見せると、「他人のバッグ、ポケット=トリーツ」という関連性を学習してしまい、他人が手をバッグに手を掛ける度にトリーツを期待する反応を見せるようになり、他人の存在価値が悪い意味で高まってしまう可能性があります。
しかし飼い主が取り出して与えることで、飼い主の存在価値もしっかり維持します。
こうして犬との交流をゆっくりと深めていき、犬の警戒心を解いて「人間は怖くない」と認識させる成功体験を積み重ねていきます。
やっていることは、人と同じです^^
人間も、面識の無い人といきなり二人で食事はしませんよね。誰か知り合いを通じて、みんなで食べたりしながら、交流をしていく。
犬を「犬」として見てしまうのは、人間の悪い癖なのかも。
「今この犬はおびえているので、しゃがんでください。じゃないと警戒して吠えられます」「トリーツボックスをしまうと吠えると思いますが、それはおねだりなので安心してください」
主催者の方が、犬の行動をことごとく言い当てることに感心しました。その犬の性質と性格をきちんと理解してるから、できることですね^^
犬の社会化には、人間が犬に対する理解を深める必要がありそうです。
犬でも人でも、コミュニケーションの取り方は、同じなんだなぁと思いました。
以上、子どもの頃、犬に追いかけられていたヤギッチがお送りしました♪