こんにちは。つくスタ特派員のさくら子です。
12月1日にTXつくば駅そばのつくばサイエンスインフォメーションセンターで開催された「第7回市民シンポジウム つくばを創る・つくばで造る」に参加してきました♪
このシンポジウムの主催はNPO法人つくば建築研究会。
以前、つくスタBlog【つくスタ縁日「ぱちぱち散歩」でつくばの魅力を再発見!】でも紹介させていただきましたが、筑波研究学園都市を拠点に、つくばの建築文化・都市景観について専門的な観点に立ち、まちづくりに対する情報発信や意見交換を行う活動をしているNPO法人です。
建築の博物館といわれるほど、多くの素晴らしい建築物があるつくば。
そのつくばの街や建築の魅力を発信しながら、建築のおもしろさを多くの人々と共有することを役割のひとつとするNPO法人つくば建築研究会が、毎年、市民シンポジウムを開催し、今年はその7回目になります。
今回のテーマは「つくばを創る・つくばで造る」。
つくば周辺に住む若手建築家を中心に、どのようなことを考え、どのようなデザインをしているのか、自身の仕事を紹介しながら、意見交換をし、これからのつくばを考えようという意図で開催されました。
11月に参加した「ぱちぱち散歩」で、つくばの建築物や街並の持つ美しさに改めて気づき、つくばの街づくりにとても興味を持つようになっていた私は、今回のシンポジウムをとても楽しみにしていました。
また、現在、自宅の設計をお願いしているつくば市内の設計事務所の設計士さんもパネリストとして参加しているという縁もあって、何か家作りのヒントが得られるかもという期待のもとに参加しました。
まず最初に、建築家・筑波大学大学院芸術系教授(デザイン論)鵜沢隆氏による基調講演「つくばの建築のデザイン」がありました。
1960年代後半に始まったつくばの都市計画。
その後、つくばの街がどのように発展していったのか、自身の設計した筑波大学総合研究棟Dや筑波大学国際交流会館などについての解説を交えながら、つくばならではの魅力を生かした街作りのあり方についてのさまざまな提言がありました。
つくばの魅力は「東京からの利便性と圧倒的な空間ストックにある。東京では得難い『スペース』のポテンシャル」と語る鵜沢氏。
最後に、「moving to tsukuba」と題した、「A:東京からの訪問者を誘う」「B:東京からの移住者を誘う」ための提案がなされました。
「A:東京からの訪問者を誘う」ために
*20世紀を記憶し、21世紀を展望する文化の拠点として「20世紀を記憶する20の博物館」の提案がなされました。
つくばの街に、例えばポピュラーソング博物館、日用品博物館、未来都市博物館、マンガ博物館、事故博物館…など、20世紀を代表するさまざまな資料などを集積する博物館を設置する案。
街の空間的な密度、フラットな土地など、つくばは博物館を中心とした街づくりをするにはとてもふさわしい場所であるとのこと。
街全体が博物館!ますます魅力的な街になりそうですね。
ぜひ実現してほしいと思いました。
「B:東京からの移住者を誘う」ために
*つくばの街を「通勤別荘」をテーマとし、移住者をいざなう案。
例えば、プールの家、虫の家、音楽家の家など、東京から約1時間という利便性と圧倒的なスペースを生かした街づくりをする提案がありました。
確かにつくばには、個性的な家がいろいろありますが、このように住む人の個性をより生かした家ができたら、今以上につくばの街並が個性的で魅力的になりそうだな~と思いました。
鵜沢氏の講演を聞いて、つくばには土地としての魅力と可能性が無限大にあり、他のどの都市とも違う、独自の街づくりができる将来性があるということに気づきました。
次に、つくば周辺で活躍する若手建築家8名による作品発表とパネルディスカッションがありました。
「つくばの豊かな自然環境を生かすためのデザイン」「変化のスピードの早いつくばで家を建てるということとは?」「つくばらしさとは?」など、さまざまなテーマについて意見が交換されました。
最後に、「今後、豊かなつくばをどのようにつくったらいいか?」との問いに対し、
「調整区域の開発について、つくば独自のルールをつくってはどうか」
「どこにでもある都市にならないために分譲の仕方も考慮すべきでは」
「家をつくるということは、施主も街作りの街づくりの一員であるという意識を持つことが大切」
「新しいものを受け入れやすい地域であるので、ぜひ新しいことに挑戦してほしい」
などの意見が上がりました。
中でも印象に残ったのが、「スロービルド」という言葉でした。
時空遊園の岩永さんという女性の設計士さんの言葉だったのですが、建築を食物に例えて説明して下さいました。
「食べものにはスローフードという言葉があり、例えば、干し野菜は時間をかけてつくるととても美味しくいただけます。面倒でも丁寧に暮らすということを大切にしたいと考えています。建築も食べ物と同じように考えていきたいと思います」
丁寧な暮らしという言葉がとても心に響き、そしてこれこそ「つくばスタイル的な暮らし」ではないかな~と感じました。
新しいものと古いものとが共存する街・つくばにおいて、つくばらしい古いものや豊かな自然を活かしながら、なおかつ新しいものを取り入れ、より良い街づくりをするために、今回のパネリストを中心とした市内の若手建築家達が情熱を持って街づくりをリードしていこうとする姿に感銘を受けました。
そして今後、つくばの街がどのように進化していくのかとても楽しみになりました!
ぜひ、つくばらしい、つくばならではの、他にはどこにもない魅力的な街として発展
していくことを期待したいと思います。
以上、さくら子がお伝えしました♪