みなさん、こんにちは。つくばスタイル特派員のしらゆきです。
突然ですが、みなさんは“つぶあん”と”こしあん”のどちらがお好きですか?
なめらかな口当たりのこしあんも、あずきそのもののうま味が口の中いっぱいに広がるつぶあんもそれぞれの良さがあり、魅力的です。
つぶあん派もこしあん派もうならせるという、つくば市若栗にある本格的な和菓子の店を紹介します。
「菓匠 あずき庵」は、東京や埼玉、千葉で修行を重ねた店主がつくば市若栗に広がる自然豊かで美しい風景に惚れ込み、16年前にオープンさせました。
余計なものは入れず、あんには北海道産の小豆を使うなど材料にこだわり、手間をかけて店主がひとつひとつ丁寧に手作りしています。
「本物の和菓子を作りたい。一度味わったらその美味しさがわかってもらえるから」
そんな店主のこだわりがつまった和菓子を求め、近隣はもちろん、わざわざ県外から買い求めに来る方も多いのだとか。
ショーケースには“きんつば”や“ようかん”、“どら焼き”など多くの種類があり、季節や好みに合わせて選べます。
店主自ら育てたブルーベリーを惜しみなく使ったブルーベリーのようかんは、ここのオリジナル。ブルーベリーの生産が盛んなことで知られているつくば市のお土産として買い求める方も多いのだそう。
取材中も次々と来店者が訪れることからも、ファンの多さが分かります。
朝7時からの営業と聞いて、仕込みの開始時間を尋ねると「朝の4時から」との答えが。「もともと釣りを趣味にしていたから朝早く目が覚める。早寝早起きが健康の秘訣だね」と教えてくれました。
朝の仕込みを一人で黙々とこなす店主。饅頭、どら焼き、あんみつなどそれぞれに合うあんを用意します。味わいがしっくりくるよう甘さなどを微妙に変え、絶妙なバランスを考えているのだそう。手間はかかりますが、その分「ここでしか味わえない本物の味」を堪能することができます。
「一番のオススメは、上生菓子。季節に合わせたもので、見た目も良いため、手土産によくご利用いただいています」
上生菓子とは主に茶席でいただくことが多い菓子で、その艶やかな見た目から、結納などの祝いの席で人生の節目に花を添えます。
この花をかたどった上生菓子は、花びらひとつひとつの細工が美しく、繊細さを感じます。まさに熟練の和菓子職人の技です。
夏にふさわしく涼しげなものはこの時期にぴったり。目でも季節を感じられます。
茶道の茶席用に注文を受けることもあるそうで、大切なおもてなしの場にふさわしい一品です。
店内にあるイートインスペースでは、現在は利用人数に制限を設け、あんみつやかき氷などをいただくことができます。
ここでぜひ味わっておきたいのが“あんみつ”です。驚いたことに、ここのあんみつは”こしあん”か”つぶあん”を自分でセレクトできます。あん、黒蜜、求肥、寒天というシンプルな組み合わせですが、それぞれがバランスよくお互いを引き立てる上品な味わいです。
特筆すべきは求肥で、今まで食べてきた求肥とは違い、手作りの生求肥は白くてまるでつきたての餅のよう。柔らかくもっちりしており、ほんのりとした甘さがあります。店主の言う“本物の味”を知り「今まで私が食べてきた求肥は何だったのか…」と思わずにはいられません。
寒天は噛みごたえがありながら、とてもなめらかな食感で、濃厚な黒蜜との相性が抜群です。
テイクアウトもできますよ♪
“こんな和菓子を自分でも作りたい…”という要望に応え、店主自ら講師となり、月に一回「和菓子教室」を開催しているあずき庵。コロナ禍で現在は休止中ですが、近々再開する予定なのだとか。
「初心者向け、上級者向けというようにクラス分けをし、少人数で教える予定です。生徒に教えるのも勉強になります」と店主。
本格的に和菓子作りを学びたいという方を対象とした教室で、毎回異なるテーマを決めて和菓子を創作するのだそう。
和菓子の伝統の技を店主から直々に教えてもらえる貴重な機会です。基本的な工程をふまえつつ、枠にとらわれない自由な発想が新しい和菓子を生み出すきっかけになるかもしれません。
事前の予約で赤飯や祝いの和菓子、一升餅なども手掛ける同店。家族の成長を見守る大切な祝いの席を彩り、ハレの日にふさわしい逸品ぞろいです。
「価値のある和菓子をこれからも作っていきたい」と話す店主の和菓子への熱意は尽きることがありません。
頑張る日々のご褒美に。ちょっとした手土産に。今日は心をほぐす至福の和のスイーツを選んでみませんか?
以上“つぶあん派”のしらゆきがお届けしました。
【菓匠 あずき庵】
所在地 つくば市若栗2304-145
電話 029-876-0922
営業時間 7時~18時
定休日 木曜・第三水曜(祝祭日は営業)