こんにちは、みっきぃです♪
ノバホールやカピオなど一流の施設があり、多彩な芸術文化に触れる機会に恵まれるつくば暮らし。演劇鑑賞好きな私が最近気になっているジャンルの一つが伝統芸能!
2020年の東京オリンピックでは、総合統括に狂言師の野村萬斎さんが抜擢されたことが話題になりましたが、能や歌舞伎、寄席など日本の伝統芸能に興味があるものの、なんとなく敷居が高い気がしてしまって観に行くのを躊躇していました。
そんな折、世界最古の舞台芸術と言われる「能」の稽古がつくばで行われていると聞いて、緊張しながらもその様子を見学させてもらいに行っていました!
稽古をつけていたのは、金春流能楽師の山中一馬さん。つくばや周辺地域で数々の能の舞台を企画・上演している一人です。
能は謡と囃子に乗せた舞で物語が進んでいきますが、この日の稽古では、先生と共に基本の所作を学ぶ仕舞、能の台本である謡本を使って謡を学んでいました。
能に触れるのが初めての私にとって新鮮だったのは、山中さんが一つひとつの所作や音階、リズムを手とり足とり指導するのではなく、謡であれば先生に続いてオウム返しのように真似することで、節や曲の流れを自然に覚えていくこと。習うというよりは、体で覚えるという感覚。そんな私の驚きを察したかのように、先生が教えてくれました。
「稽古という字は、古を稽(かんが)えると書きます。目で見て、耳で聞いて何度も繰り返して身につける。それが、芸を体得するということ。だから能では習うと言わず、稽古をつけると言うのですよ」
室町時代、世阿弥が大成させてから何百年という時を経て、人から人へと継がれてきた芸の尊さに背筋を正す私なのでした。
山中さんにとって初めての観能体験は小学生。日本にこんな伝統芸能があったことに心惹かれたと当時を振り返ります。
その後、進学先の東京の大学で能楽研究会に誘われたことをきっかけに再びその扉を開くことに。後の師匠となる金春流シテ方櫻間金太郎氏と出会いその筋を見込まれ、能楽師の世界へと足を踏み入れました。
現代では「敷居が高い」という印象が先行しがちな能ですが、元は五穀豊穣を願う舞いや庶民の娯楽として親しまれていたもの。多様な魅力を伝えるべく、つくば市内の小中学校に出前講座を行ったりもしているそうです。
より多くの人に能を楽しんでほしいと力を注ぐ山中さんが長年温めてきた企画の一つが、9月にTXつくば駅からすぐのノバホールで上演される、能とオペラを融合させた「Curlew River(カーリュー・リバー)」。
「カーリュー・リバー」は、イギリスで最も高く評価されている作曲家・ベンジャミン・ブリテンが戦前に来日した際、能楽の「隅田川」を観能し感銘を受けて作曲したオペラ作品。
本公演では、オペラ作品を能装束で演じる“逆輸入”の舞台。主役である狂女の歌は能楽の謡で演じられ、バックにはオーケストラが響きわたります。
「能楽ってこんな一面もあるんだと知ることで、その魅力を再発見してほしい」と、舞台への意気込みを話す山中さん。
オペラと能のコラボでどんな世界が生まれるのでしょうか♪今から興味津々なみっきぃなのでしたᕕ( ᐛ)ᕗ
【能とオペラの融合「Curlew River(カーリュー・リバー)」】
公演日:9月15日(土)14時開演(13時半開場)
会場:ノバホール(TXつくば駅から徒歩3分)
作品の詳細は、こちらでも紹介されています。