どーも、ヤギッチです♪
前回に引き続き、つくば市環境都市推進課が行う「筑波山の森について学ぼう!広根場林道と筑波山自然展」についてレポートします^^
筑波山は北方系と南方系の動植物の分布が重なり、1000種類以上の植物がある学術的に重要な山。標高によって樹木の種類が異なります。
麓から標高300m辺にコナラ林、300~500mほどの場所にスギ林やアカマツ林。(ロープウェイやケーブルカーは大体500m付近)
その上にアカガシやモミの木があり、700m以上の場所にブナ林があります。
今回ガイドをしてくれたつくば環境フォーラムでは5年前から筑波山のブナに関する調査を行い、筑波山には7000本のブナがあることが分かりました。
女体山山頂から筑波高原キャンプ場を結ぶ、通称三本松線というルートにその貴重なブナ林があります。
風がそよぐと、木漏れ日が揺れ、葉の擦れる音が聞こえます。
自然と一体になれる場所でした。
11月に入るとこの道は、黄色く彩られ、また違う美しさになるそうです。
体力のない私は登山は苦手ですが、この道ならばもう一回行きたい!
ちなみにブナ林と言っても、ブナばかりが生えている訳ではありません。
ミズナラやアオハダ、アカシデなどが高木として生え、その下にヤマツツジやシラキなどが生え、更にその下にコアジサイやミヤマシキミ、ユキザサなどがある…。
その総称がブナ林なのです。
ブナの生息する冷温帯のギリギリのラインにある筑波山のブナ林は、温暖化の影響を真っ先に受けます。
ブナの寿命は300~400年ほど。筑波山の多くのブナが高齢化していますが、子孫を残そうにも、温暖化で芽が出る種子がなかなか無いそうです。
その後も植物を観察しながらトレッキングしていくと、森の様子が一変。
高い木が列をなしてそびえています。これもまた一見の価値ある風景。
この森は「単層林」と言って、同一の樹木を同時に植え、同時に伐採する人工林です。
広根場林道の近くの国有林では、ヒノキやサワラなどを植林。
現在、日本各地で植樹祭が開催されていますが、植樹行事が全国で初めて行われたのが、筑波山なのだとか。
…これも知りませんでした。
また、ここには筑波山山頂から大昔、土石流と共に転がってきた斑レイ岩、いわゆる「つくば石」がゴロゴロ転がっていました。
斑レイ岩の中に多く含まれる斜長石は風化しやすく、軽石のように穴が空きます。その穴に苔が付き美しい庭石になると、つくば石は重宝されました。
引き続きつつじヶ丘方面に下山しながら、植物観察。
アケボノソウという珍しい花も咲いていました♪
また筑波山には「ツクバトリカブト」など筑波山固有の植物もたくさんあることが、このツアーで分かりました。
つつじヶ丘に近くなると、あちこちでこのような立札が見られるようになります。
こちらは、「複層林施業モデル林」。
上記の「単層林」とは異なり、数回に分けて植え、数回に分けて切ります。
複層林は間伐して光が下まで届くため、高木の下にも多数の植物が密生。植林しているとは実験の看板がない限り、わからないかもしれません。
さまざまな植え方をすることで、どの形で植林するのが森を維持するのに最適なのか、伐採時のコストが最小限に抑えられるのはどの植え方かなど、実験しているのだとか。
この実験場は、海外の方も視察に来るほど。森林業界では有名な実験場なのだそうです。
…実験といっても、一番最初に植えたのは明治33年(1900年)。
100年以上の年月をかけて行われている実験です。
壮大な実験ですね。
筑波山にこのような実験場があるなんて、驚きでした。
「筑波山の自然を学ぼう」といことでしたが、自然だけではなく、歴史や土壌などあらゆる面で、驚きの新発見がありました。
筑波山、実に奥が深い山です!
以上、筋肉痛がなかなか取れないヤギッチがお送りしました♪