こんにちは。つくばスタイル特派員のなのはなです。
先月、守谷市内を車で走っていたら、気になるお店を見つけました。
「れんこんのなかむら」…?
調べてみると、守谷市内でレンコン栽培をしている農家さんの直売所とのこと。
茨城県といえばレンコン生産量全国1位で、つくば市のお隣、土浦市が一大産地であることは知っていましたが、守谷市でも栽培されていたとは!
しかもその後、「もりやコレクション」に伺った際には「9月頭から中村さんのレンコンが入荷しますよ!」と案内されたり、「クーロンヌもりや」では中村さんのレンコンを挟んだ「守谷レンコンバーガー」が販売されていたりと、行く先々で出合う“中村さんのレンコン”…
これは取材に行くしかない!と思い、お話を伺うことにしました。
守谷城址公園のそばに広がる、のどかな田園風景。
その一角に、守谷市でレンコン栽培を始めて5年目になる中村淳志(あつし)さんの畑があります。
昔は沼で、古代ハスも咲いていたというこの辺りは土が柔らかく、レンコン栽培に適した土地なのだそう。
大きな葉が青々と茂る夏場も終わりを迎え、葉はだいぶ枯れてきて、畑も少しずつ冬支度を始めているようでした。
つくばみらい市出身で、22年間サラリーマンをしていたという中村さん。
土浦市や取手市のレンコン農家さんの元で修行を積んだ後、守谷市でのレンコン作りをスタートさせました。
守谷で栽培を始めたのは、土地を探していた際に市内に耕作放棄地を見つけ、守谷市土地改良区に相談したことがきっかけ。
2万4千平方メートルという東京ドーム約半分のもの土地を畑として生き返らせるため、家族でゴミ拾いをするところから始めたそうです。
台風や雹(ひょう)の被害に苦しんだ年もありましたが、1年目の2500平方メートルから年々作付面積を広げ、今年ついに2万4千平方メートルに到達しました。
4〜5月に種レンコンを植え、8月頃から収穫を開始する中村さんのレンコン。
早い日はなんと午前3時台から作業を始め、荒天でない限り毎日収穫を行います。
ポンプの水圧を利用しながら、折れやすい先っぽには触れないよう、手作業で進める収穫。
「何本掘ったかでその腕が分かります。だから、今でも土浦に手伝いと勉強に行くんですよ。まだまだ修行の日々です」
収穫後は、飲めるほどきれいな井戸水を使って畑のそばで洗い、その後自宅へ持ち帰って再度洗浄し、奥様とともに袋詰め。
「大変ですが、やればやっただけ結果が出るので面白いです。食べた人から“ありがとう”の声が届くのも本当にうれしいですね。あと30年はやりたいと思っています」と笑顔で話してくれました。
「守谷SAでも販売していて、茨城県の玄関口なので“茨城のレンコンの顔”としての責任を感じます」「市内小学校の給食に自分のレンコンが使われた時、子どもたちがおいしいと言ってくれて、うれしくて泣きそうになりました」とも語っていた中村さん。
毎朝の収穫もまず畑への一礼から始めるといい、レンコン作りに込める思いや、真摯な姿勢がひしと伝わってきました。
守谷市内に直売所「れんこんのなかむら」をオープンさせたのは、今年の7月31日。
毎週水・土・日曜の13時から、朝採りのレンコンが店頭に並びます。
その白さは新鮮さの証。おいしさに多くの人がリピーターとなり、口コミやSNSでも人気が広がっています。
レンコンの旬=冬のイメージですが、夏~秋のレンコンの味わいも格別。
冬に比べ水分が多く、シャキシャキとしていてサラダなどにも向いているそう。寒さが増すにつれだんだんと身が締まり、甘みも増していきます。
おすすめの食べ方を伺うと、
「薄くスライスして、軽く湯がいてポン酢+かつお節で食べたり、しゃぶしゃぶやサラダにしたり。1cmほどの輪切りにして、オリーブオイル+塩こしょう、めんつゆ+バターで炒めてもおいしいですよ」とのこと。
これまで、スーパーで買って煮物やきんぴらにしたレンコンしか食べた記憶のない私。
さっそく中村さんのレンコンをオリーブオイル+塩こしょうで炒め食べてみたところ、本当にみずみずしく、シャキシャキしていて甘い…!
「新鮮なレンコンってこんなにおいしいんだ」と感動してしまいました。
自身の直売所のほかにも、現在は守谷SA、もりやコレクション、イオンタウン守谷内のカスミ、つくばみらい市の農産物直売所・みらいっ娘にて販売中。
中村さんの作る守谷産レンコン、ぜひ一度食べてみてくださいね。
以上、移住以来つくばエリアの食の豊かさを日々実感している、なのはなのレポートでした。
【れんこんのなかむら】
住所 茨城県守谷市松並青葉3-15-7(つくばエクスプレス車両基地前)
営業日時 水・土・日曜の13:00~なくなり次第終了
*17:00前後までのことが多いものの、もっと早くなくなる場合もあり
*今季は1~2月までの営業を予定