皆さん、こんにちは!つくスタ特派員のTAKAKOです。
まもなく8月。夏休みのスタートですね!
夏の思い出で特派員が真っ先に思い出すのは、子どもたちを連れて帰省した実家でおじいちゃんおばあちゃんと一緒にスイカ割りをして、皆で楽しく食べたこと。
楽しい体験とおいしい体験が組み合わさると…忘れられない幸せな思い出ができるんですね(*^_^*)
今回伺ったのは、この夏、まさにそんな体験ができる場所。
体にやさしい無農薬野菜を自ら育て、手間暇かけた家庭料理を作って待っていてくれる、まるで“夏休みの実家”にいるような気分にさせてくれるお店をご紹介したいと思います。
特派員が向かったのは筑波山南麓に広がる臼井地区。
冬には遠く富士山まで望むことができるこの景観豊かな場所に、「つくば味工房」というちょっとユニークな店があると聞いてやってきました。
「筑波山口バスターミナル」、「りんりんロードつくば休憩所」から徒歩15分ほどのところにあり、北条地区から筑波山へと至る散歩道「つくば道」の寄り道スポットにもなっているので、周辺には散策やサイクリングを楽しむ人の姿も多く見られました。
「つくば味工房」は、松本清司さん・てつ子さんご夫妻によって、もともとてつ子さんの実家の離れだった作業小屋を改装し、8年前にオープン。
隣接の広い畑や裏山に、「エメラルド」という青いまま完熟するイチジクや、江戸の伝統野菜である「内藤唐辛子」といった希少価値のある農産物をはじめとして、さまざまな野菜や果樹を全て無農薬で育てています。
「つくば味工房」では、そんな無農薬の野菜や果物を使ったてつ子さんお手製の加工品を販売。また、清司さん自らが作ったというピザ焼き釜(写真奥)では、要予約でピザ焼き体験もできるとのこと。
毎週日曜だけの営業ですが、お惣菜やピザのおいしさが評判となり、開店の11時にはすでに常連のお客さんや、昼食を買い求める人で賑わっていました。
ブルー&イエローの素敵なコーディネートに身を包んだ松本さんご夫妻。
「清司さんはセイジさんと読むのですか?」と特派員が尋ねると、
「キヨシです。カタカナでフリガナを振ってね、マツモトキヨシ。ね、もう忘れないでしょ?!」と笑うご主人のマツモトキヨシさん^^
その人柄にひきこまれ、まるで親戚の家に遊びにきたような気持ちになった特派員。
オープンエアのテーブル席に座って楽しい話に花を咲かせていると、風が気持ち良く吹き抜けていきました。
楽しい話が大好きな清司さんは、商品のネーミングセンスもとってもチャーミング。
例えばこちらの自家製キュウリを使った佃煮は、「つくだ煮」ならぬ「つくば煮」。
秋に収穫する大粒のラッカセイは、農業体験に訪れた筑波大学の学生から「これはなんという品種ですか?」と聞かれたのがきっかけで「つくば大」と名付けたんだとか。
そんな話を伺いながら、何気なくキュウリのつくば煮を頬張ると…煮込んだキュウリとは思えないパリッパリの食感!
筑波山麓で栽培していることで有名な「福来(ふくれ)ミカン」の「まるごと煮」は、無農薬で育てているので皮ごといただいても安心。小粒なので食いしん坊の特派員は大きな口を開けて一口でパクッ!(笑)皮の存在も種の存在も感じさせない驚きの柔らかさで、酸味と甘味のバランスが絶妙。以前、このまるごと煮を大福にしたところ大変人気があったとのこと。そこに居合わせたかった!と思った、どこまでも食いしん坊な特派員でした。
家業の電気設備業に携わっていた清司さんと、その経理を担当していたてつ子さんが「農業に関わる仕事がしたい」とこの地に引っ越し、「つくば味工房」を立ち上げたのは2012年のこと。それまで農業は全くの未経験だったそうですが、素人だからこそ思い切って無農薬栽培にチャレンジできたと言います。
「こんな草ぼうぼうな畑に作物は育たないって言う人もいたけれど、虫は雑草に付いてくれる。見た目はきれいではないけど、ここの土壌は粘土質で有機物が多く含まれていて、肥料では補えない微量元素が食物を強く、おいしく育ててくれるんです」と清司さんは語ります。
買ってきた種を撒かず、自分のところで育てた苗を使用するため連作障害も起こらないとのこと。断面が丸いキュウリほどの大きさがあるオクラは、毎日バケツ一杯も採れるので、通りゆく人におすそ分けするんだとか^^
よく見ると、苗の間に虫よけ効果のあるコンパニオンプランツが植えられていたり、ラッカセイの殻が肥料として撒かれていたりと、安心安全な農作物に対する夫妻のこだわりが要所要所に見てとれました。
こちらは、今が旬のブラックベリー。乙女心をくすぐるフルーツですよね!
黒く熟し、軽く触っただけでポンと落ちるくらいが食べ頃とのことで、これからが収穫の最盛期です。
店頭ではてつ子さんお手製の「ブラックベリーのジュレ」が販売されており、ヨーグルトにかけたり、牛乳に混ぜて飲むのがおすすめとのこと。他にもホットケーキなどいろいろなスイーツに合うので売り切れ必至なんだそうですよ。
人気と言えば、こちらの自家製黒ニンニクも。
本場青森の人をもうならせたこの黒ニンニクは、一日に1~2片食べるとさまざまな効能があるとのこと。
不思議なことにニンニク特有の匂いはほとんどなく、酸味があって、まるでプルーンのようなフルーティーな味わいなんです。
我が家の子どもたちにも買って帰ったところ、普段はニンニク臭を気にする年頃の娘もパクパクと食べていましたよ(^_-)
小粒のラッカセイが入った赤飯と、自家製内藤唐辛子を使った七味唐辛子をかけた豚汁。これに無料のコーヒーが付いて300円という本日のランチ。
「つくば味工房」で作るお惣菜の価格は、どれも常連さんが心配するほど良心的。というのも、この場所を作った理由の一つが、昔からつくばに住んでいる人と新しく来た人とが楽しく語り合えるような場を作りたかったから。皆が交流できる、たまり場のような場所を作りたかったから―。
「あんまり安いとおいしくないと思われるかな?」と笑う清司さんの横で、「身近な誰かが喜んでくれたらそれが一番です」と微笑むてつ子さん。
「人に喜んでもらえることをしたら、巡り巡っていつか自分も親切にしてもらえますから」
そんなてつ子さんの言葉にうなづく清司さんを見て、地域の人々やお客さんに対するご夫妻のあたたかな愛情を感じました。
「今度はみんなでピザを焼きに来てね!秋にはミカン狩りもね!」と言って、特派員を送り出してくれたお二人。
まるで実家の両親から見送られているようなあたたかさに包まれて、お腹いっぱい、幸せな気持ちで帰路についた特派員TAKAKOなのでした(*^_^*)
【つくば味工房】
つくば市臼井35
営業日時:毎週日曜日11:00-15:00頃
TEL:029-866-0837
ピザ作りは要予約で5名程度~
詳しくはお電話にてお問い合わせください