こんにちは、みっきぃです♪
あちこちから桜の便りも聞こえ始め、ぶらぶらとお散歩が楽しい季節ですね。
つくば市内の中心部を延べ約48kmに渡って通るペデストリアンデッキ(歩行者自転車専用道路)は、並木道が気持ちいい定番の散歩コース。
ある日、青空に誘われぶらぶらしていると、かわいいお店を見つけちゃいました。
オレンジのパラソルと自転車、お姉さんのかわいい笑顔が目印のそれは、米粉焼きドーナツ専門店「Kümmel(キュンメル)」。つくばエクスプレス(TX)つくば駅を出てすぐのつくばセンター広場で、毎週金曜日と土日どちらかに出店販売しています。
もちもちの生地と、優しい甘さが口いっぱいに広がるドーナツは、「おいしくて、安心して選べるお菓子を多くの人に楽しんでほしい」と、7大アレルゲン(小麦・乳・卵・そば・カニ・エビ・落花生)不使用。つくばにある「稲本豆腐店」の国産無農薬大豆を使用した豆腐やおからをたっぷり使ったヘルシーなスイーツです。
種類は、定番のプレーン、きなこ、黒糖ココア、メープルや和紅茶に加えて、りんご(紅玉)やスイートポテト、かぼちゃやイチジクなど茨城産をはじめとする旬の食材を生かしたものも。
豆腐を使っているので、季節問わず保存は基本的に冷蔵庫。食べるとき、オーブンでちょっと温めるともちもち食感が際立ち、夏は冷やしたまま食べても生地が引き締まっておいしいそう。至福のティータイムが想像できる~♪
「ぜひ、味見もしてみてください」と、人懐っこい笑顔で案内してくれたのは、店主の篠原杏菜さん。
愛知県の出身で、調理師免許を取得できる高校を卒業。専門学校に進学後、シンプルかつおいしそうなドイツ菓子の世界に魅了され、パティシエとしての腕を磨きながらつくばへ移住。独立後に工房を構え、2018年から市内を中心にお菓子を販売してきました。
当初作っていたのは、小麦粉やバターを使ったスコーンやクッキーなど。つくば市内での出店販売を通して手ごたえを得る一方、気になったのは健康上などの理由で「食べたいけど、食べられない」という人たちの声。
今後の方向性を悩んでいた時、脳裏に浮かんだのはお菓子作りの夢を応援し続けてくれるお母さん、そして、高校の恩師の言葉だったといいます。
「自分の食べたいものを選びたくても、選ぶことができない人がいる。体に優しくて、みんなが食べられるものを作ってと、昔アドバイスしてもらった言葉がその時不思議と自分の中でつながった気がしたんです」と、杏菜さん。
“みんなが大好きなものを、みんなで一緒に食べられる。そんなお菓子屋さんになろう”と決心。アレルギーやマクロビオティックについて勉強しながら、植物性の原料だけで作れるドーナツを目指し、試行錯誤を繰り返してきました。
納得のいく商品を完成させ、出店を再開したのは2019年夏頃。立ち寄ってくれた人が「これなら食べられる」と表情が明るくなる瞬間が何よりも嬉しいと話す杏菜さん。
「以前のお菓子を販売していた時は、せっかく興味を持ってくれたのに、食べられずに残念な思いをさせてしまうのが申し訳なくて、出店に腰が引けてしまいそうな時期もありました。でも、このドーナツを作って、安心して選べる楽しみをより多くの人に提供することができてすごく嬉しい」と満面の笑み。
「まだまだ改良を加えながら、旬の食材を使った種類も増やしていきたい。いずれは、つくばの手土産といったらKümmelのドーナツを思い浮かべてもらえるよう頑張っていきたいです」。
「Kümmel」とは、キャラウェイというスパイスのドイツ語名に由来。さわやかな香りで、焼くと甘い香りがするそのスパイスには、「人と人をつないでくれる」という言い伝えがあるそう。
「みんなで一緒に楽しめるお菓子をつくりたい」温め続けてきた思いを実現した杏菜さん。お菓子がつなぐ人と人の縁を信じて、今日もオレンジの自転車がつくばの街を駆け抜けます。
みっきぃがお届けしましたᕕ( ᐛ)ᕗ
出店曜日:毎月金曜日と土日のどちらか(雨天時の出店中止)
出店場所:つくばセンター広場(TXつくば駅出てすぐ)
※詳細なスケジュールは、Instagramのアカウント@kumkumkummelから。