どーも、ヤギッチです!
つくばで育った私。学生の頃は自転車通学で、つくば公園通り(ペデストリアンデッキ)を活用していました。
ペデストリアンデッキは車が通らない、歩行者ならびに自転車専用の道です。つくばの中心部に張り巡らされており、すべてを合わせるとおよそ45km。通勤・通学にとっても便利です!
ほぼ毎日、ペデストリアンデッキを自転車で爆走していた私は、朝、上空に白い風船がフワフワと登っていく光景をよく目にしました。
…その風船を見ると、学校は遅刻( ̄∀ ̄;)
風船に向かって「もうちょっと待ってよーっ!!」と幾度となく叫びましたが、いつも無情に、風船はフワフワと空高く飛んでいくのです。
「一体あの白い風船は、何なのか?」
長年の謎を解消すべく向かったのは、TXつくば駅から車で10分の気象庁の研究施設。
ここは気象庁気象研究所・高層気象台・気象測器検定センターの3機関が広い敷地の中で軒を並べています。
今回は取材ということで研究所の一般公開さながら見学させていただきました。
この場を借りて御礼…気象庁のご担当者さん、本当にありがとうございます!
白い風船を飛ばしているのは高層気象台。
高層気象台では、地上の気象の他に、高層(上空)の気象や紫外線・オゾンを観測・研究しています。
こちらが風船を飛ばす様子。意外と大きい!
毎朝飛んでいた風船は1.5mほどのもの。
気温・湿度などを計測するために、世界標準時の0時と12時の30分前に、雨でも雪でも365日、世界中で一斉に飛ばされているのだとか。
写真の風船は毎朝飛んでいる風船よりも大きく、「オゾン」を測定するためのもの。こちらは週に1回飛ばしています。
これらを「ゾンデ観測」と言います。
水素で直径2mほどまで膨らまし、2kg弱の機械(ゾンデ)が浮かぶように調整。
その後、1枚目の写真のように飛ばします。
「3、2、1」というカウントダウンとともに、放たれる風船。
あっという間に空の彼方へ…だいたい毎秒6mずつ上昇するのだそうです。
飛んでいく風船を見て、しばしノスタルジーに浸る私。
「これを見て、学校に行ったなぁ」
…よみがえるのは遅刻の思い出ですが、それでも学生時代の思い出は懐かしいものです^^
風船の下には、温度計・湿度計・GPSアンテナがついていて(写真右)、さらにオゾンを測る機械(写真左)がパラシュートとともに付けられます。
オゾンを壊しにくいテフロンのチューブで空気を取り込み、反応液でオゾンと反応させます。その際に微量な電気が流れ、その電気の量を図ってオゾンが上空何メートルにどのくらいあるのかを計測します。
この風船、何事もなければ上空35kmも飛びます。飛行機が飛ぶのは上空10kmくらい。
風船が飛行機よりも高く昇り、オゾン層まで行くのです!
35kmも上空になると、気圧の関係で風船の直径は10mくらいまで膨らみます。その頃は風船の色も「白」ではなく、透けて向こう側が見えるくらいになるのだとか。
透明で向こう側の景色が見える10mもの風船…見てみたいです!
この他、気象測器検定センターの風洞検査施設も見学させていただきました^^
これは、全国各地にある風速計が正しく測定できているかどうかを調べる検査機器。
秒速108mもの風を起こします。
秒速108mの風は自然界ではまずありえない現象ですが、万が一の時にも風速計が壊れないかの確認も含めて検査するそうです。
昔は東京大手町の地下にあったのですが、2012年4月に新しい風洞検査施設をつくばに作りました。全国でもつくばだけにある機械とのこと。
ここでは、気象に関する器具の研究開発も行われています。
昨今、南極のオゾンが減少していると騒がれていますが、今の南極のオゾンは50年前の地球環境が影響しているのだと、研究者の方にお話を伺いました。
そういったことがわかるのも、コツコツと行ってきた長期的に渡る正確な観測ができるような機器開発を行ってきたからこそ。
あの白い風船も、その観測の一環だったのです!
白い風船の謎が解けて、本当にスッキリしました^^
50年後のオゾンがどういう状況になっているのか、そのときも白い風船で測っているかもしれません。
以上、遅刻せず登校すると先生に褒められてたヤギッチがお送りしました。