こんにちは!ヤギッチです!
筑波山にほど近い、つくば市田井地区の臼井で古民家の土壁を塗るイベントがあると聞いて参加してきました!
つくば市田井地区は、いわゆる里山と呼ぶにふさわしい、穏やかな街並み。
筑波山麓から流れる清らかな小川があり、かつては養蚕業で栄え、今でも「蚕影神社」にその名残があります。今は養蚕から農業に移行し、夏にはホタルが田んぼに舞い、秋にはトンボが飛び交うのどかな地域です。
そんな里山の良さを地元以外の人にも知ってもらおうと、地域の人たちはさまざまな活動をしています。
その一つが「筑波山麓グリーン・ツーリズム」。
この3月に筑波大学を定年退職した一級建築士の安藤邦廣氏指導のもと、つくば市沼田から築150年の古民家を臼井に移築しています。
2012年9月、屋根や壁に使用する竹の伐採と茅を束ねる作業を、つくば環境フォーラムとつくば森林クラブの協力のもと「竹伐りと茅のこまるき」という体験型イベントとして行いました。
こちらには東京の企業の方が、事業の研修も兼ねて参加。
竹は近くの山に生えているものを伐採。
山も人の手を入れないと荒れてしまい、木々にとっても悪影響なのだとか。
「ただ単に切るだけじゃもったいない。役に立つならどーぞ」と地元の方も非常に協力的。
山の斜面に悪戦苦闘しながらも、笑顔の絶えない楽しい体験となりました。
そして11月には、「小舞掻き」と呼ばれる壁の枠組みを作る作業を、地域の方と東京の企業の方が一緒になって作業。
竹を壁の枠に合わせて切るのですが、これがなかなか難しい。
長いと竹がしなってしまうし、それを調整すると今度は短く切りすぎたり…(^^;
格子状に組んだ竹を紐で固定する作業も細々としていて、意外と時間のかかる作業となりました。
12月には、屋根に使用するススキを提供した茨城県石岡市の「やさと茅葺き屋根保存会」の方へススキを返却すべく、筑波山麓茅刈り隊を結成!
つくば市にある「高エネルギー加速器研究機構」で、総勢80名もの方がススキを刈りました。
高エネルギー加速器研究機構では、毎年お金をかけて業者に頼みススキを処分。また「やさと茅葺き屋根保存会」では群生するススキを探すのに苦労していたとのこと。
お互いの利害が一致していることを知り、今では毎年の恒例行事となっているそうです。
2mもあるススキの束が、何個も立っている光景は、ちょっとシュール (笑)
この3月、土壁作りを本格的に開始。
この古民家は筑波大学の授業にも使われており、薪ボイラーやバイオトイレなどを増築。
バイオトイレは便器の下におが屑が中に入っており、3カ月もすると田畑の肥料になるのだとか。薪ボイラーも、木屑や紙ゴミなどを燃料にするなど、リサイクルにもこだわっています。
こうしてたくさんの方が古民家の土台を作り上げてきて、今回の土壁作りに至るとのこと。
先人の苦労と汗を無駄にしないようにしなければ…!!
土壁作りは、粘土質の土に藁と水を混ぜたものを、小舞掻きをした壁に塗りこんでいきます。
左官さんの師匠が塗ったのを手本に、早速実践!!
…思ったより力仕事。左手に土を盛った板を持ち、右手で塗るのですが、師匠が塗るようにスムーズにいかない!!
問題なのは、厚みが整わないこと。壁なのに、凸凹してしまいます。
難しいのですが、家づくりに携われてる感じが心地よく、熱中して塗り塗り…。
無心になれる作業でした♪
「この古民家が今後100年、200年と存在し、みなさんの作業が歴史に残るかもしれません」と古民家の持ち主の方がお話されたとき、移築前に建てた人たちと同じ達成感を私も味わったのかなぁと、150年前の人達と繋がったような不思議な気持ちになりました。
地域団体や企業、地元の人々や県外からの参加者も含め、今までに約300名の方がこの古民家移築に携わっています。
里山の自然と人との関係を学び、人々の繋がりを深めてきたこちらの古民家は、2013年5月に完成予定。
農業体験の休憩所など、人の集う交流の場として活躍するそうです^^
以上、完成が楽しみなヤギッチでした♪