6月に入りだんだんと梅雨が近づいてきているような感じがしますね。
火曜日担当のけろりんです。
こんなペンネームですが雨はあまり好きではありません(笑)
突然ですがみなさま日本酒は飲まれますか?
(もちろん20歳以上の方への質問ですよ!)
匂いがきついから、アルコール度が強い
おじさんの飲む物というイメージがある...etc
そんな声が聞こえてきそうな気がします。
年々日本酒の消費量が減る一方で、
海外での評判が高まってきているとも言われています。
日本でうまれたはずの日本酒が、
自国ではあまり受け入れらない現状は悲しい感じがします。
応用微生物学を大学で教えている内山裕夫教授は、
若者の日本酒離れが進む中で、
筑波大学の校章になっている桐の花から酵母を単離し、
その酵母を使った日本酒をつくり、
学生や教員がお酒を飲みつつコミュニケーションを深めていけたらと
桐の花からの酵母の分離を考え出しました。
研究室に配属になったばかりの当時大学4年生(Y君)が
約2年をかけて桐の花から酵母を分離する日々が始まったのです。
最終的に日本酒にふさわしい酵母(サッカロマイセス・セレビシエ)
の分離に成功し、先月、筑波大学のブランドグッズとして
日本酒「桐の華」を販売することになったのです。
そこで今回は研究の中でどのような苦労があったのか、
Y君にインタビューを行いました。
(Y:Y君、K:けろりん)
K:なぜこのテーマを研究テーマとして選んだのですか?
Y:研究テーマを決める直前にたまたま、
玉姫というニチニチ草の花酵母のお酒を飲んだのが
きっかけです。
こういう酵母もいるのだなと思い、
関心を持ち自分もそのような花からの酵母をとってみたいと
思いました。
K:研究していく中で楽しかったことや一番うれしかったことは?
Y:始めは、発酵する酵母が自然界にいるんだということが
半信半疑だったのが、初めて培養液からさかんに泡が出て、
酵母が分離できたと確認できた時はうれしかったです。
やはり一番嬉しい事は分離した酵母で
おいしいお酒が出来たことですね。
自分のいままでの成果が報われたのがうれしかったです。
K:研究の中で一番の苦労は?
Y:桐の花のサンプリング、つくば市内を自転車で走り回って、
桐畑を見つけて地主さんに話をつけるまでが大変でした。
更に桐の花が咲く時期は5月と限られているため、
その時期に花を集めなくてはならず、
毎日花を拾いに行くのがとても大変で、
友人などにも頼んでどうにか必要量を集めることが
できました。友人は大切です。
K:桐の花をみつけるところから研究は始まっていたんですね!
この研究を通して伝えたいことはなんですか?
Y:人とのコミュニケーションはとても重要です、
お酒は楽しく飲みましょう。
幸運は人の形をしてやってきますから、
人との繋がりを作るのにお酒は大事なツールですから
うまく使いましょう!
K:幸運は人の形をしてやってくるんですか...
いい事言いますねぇ。
では最後にY君から今回の研究で学んだことについて教えてください。
Y:何か達成しようとしたら諦めないことが大事です。
失敗をおそれなければ多かれ少なかれ
自分にとってプラスになります。
実際わたしも酵母分離まで2年かかりまして
初めの1年は結果がでなくて苦しかったのを覚えています。
なので諦めることなく根気よく行う事が大切だとわかりました。
辛いときは一度辛い事から離れるのはいいと思います。
でも逃げないでください、
諦めなければ必ず結果は残せると思います。
K:彼の涙ぐましい研究のもとにこのお酒ができたんですね。
Y君ありがとうございました。
またこのお酒の名前は、学内公募で大学院生の作品に決まり、
ラベルのデザインも芸術学系の教員によるものだそうです。
お酒の醸造は筑波山麓の来福酒造にお願いし、
様々な方が関わってできたお酒なのだなぁと思いました。
「桐の華」を飲んだ感想は、
辛口のなかに深い味わいがあり、香りもいいです。
いろんな酵母がとれてきたなかで、日本酒として
いちばん美味しいと思う酵母を選別したとのことです。
みなさま、この機会に日本酒デビューしませんか?
今度の父の日にはこの筑波大ブランドの酒「桐の華」を
片手にお父さんに会いに行ってみてはいかがでしょうか?
これからつくばの地酒や酒蔵なども発掘してみたいなぁと
おもってきました。
またの機会にご報告できればと思います♪
筑波大学関連ページリンク:
http://www.tsukuba.ac.jp/topics/20090424202445.html
<文責:けろりん>