さちぼんです。
先月22日のこと。
知り合いの誘いで、つくば環境フォーラムという団体の、
「里山こどもワンダーランド作戦」というイベントに
お手伝いに行ってきました。
つくば環境フォーラムとは、「自然との共存」をテーマに
筑波山や里山の保全活動に取り組んでいる団体です。
元々私は、森林の生態系や、森と人との関係を学びたくて筑波大学に
来たので、この団体には以前から興味を持っていました。
だから、知り合いから声がかかったとき、チャンスだ!と思って
すごく嬉しかったんです。
「里山こどもワンダーランド作戦」は小中学生を対象にした
環境教育のイベントです。
現在は、「手入れした森で遊ぼう」というテーマで、
11月~2月の毎月1回、シリーズで行われています。
内容は、森の手入れ、カブトムシのすみかづくり、
手入れで切った木を活用して森の隠れ家作り、
森の薪でこどもたちによる煮炊きなどです。
第一回の今回は、森の手入れ体験。
立っている木を実際に、のこぎりで引いて切り倒します。
「なんて環境に悪い!そんなことを子どもたちにやらせるなんて!」
と思った方もいるかもしれませんが、それはちがいます。
森には、自然にできた森(自然林)と、人の手によって
植林などをして育てた森(人工林)とがあります。
今、一般的に「森林破壊」が問題になっているのは、自然林の話です。
自然林には多様な生物が住んでいて、
長い年月をかけてできたその森は、人間の手で破壊してしまうと、
復活までに同じようななが~い年月がかかります。
そんな中で住みかが奪われて絶滅してしまう生物もいます。
一方、人工林は、また話がちがいます。
農業とちょっと似てますが、人間が作った森は、
人の手で手入れをしなければいけません。
今回の「間伐」というのは、「間引き」のことで、密集しすぎてる
木を間引いてやることで、森全体が明るくなり、
残った木がのびのび成長することができるようになります。
森を育てることは、農業よりもさらに長い、10年、100年単位で
見なければなりません。森林には、洪水や土砂崩れなどを防ぐ
作用もありますから、健康な森を育てることは、
幸せな未来を育てることでもあると私は思います。
さて、今回は、子どもたちがその大事な「間伐」を体験しました。
直径10cmほどの木を切り倒すのは、子どもたちにとっては
一苦労。
それでも、作業が終わった後、
「森が明るくなったねー!」と満足げに言っていたのが印象的です。
うまく言えないけど、私はすごい幸せを感じました。
作業後、やきいもをやったり、
自然に関するクイズで遊んだりしました。
次回のカブトムシのすみかづくりをする予告として、
去年の活動でつくったすみかをのぞいてみました。
しかし、そこにはなぜか、幼虫が見当たりませんでした。
その理由は、誰かが幼虫をもっていってしまったからじゃないかな、
とつくば環境フォーラムの方は言っていました。
この活動はつくばエクスプレス研究学園駅付近で行っているのですが、
私たちのこのような活動のことを知らない人たちが
幼虫を持っていってしまったのではないかな、と推測しました。
カブトムシのすみかを作るというこの活動の立場から見れば、
カブトムシが居ないのはとても悲しいです。
せっかくすみかを作ったのに…と子どもも残念がります。
一方、自然教育に携わる人たちは大抵、
「自然が好きな人になってほしい」と思って活動しています。
でも、きっと、幼虫を持っていった人も、
カブトムシが好きなんですよね。
そう考えると、同時に複雑な気分になりました。
ある知り合いが言った言葉を思い出しました。
「もう地球という大きなかごの中で飼ってるから
捕まえなくてもいいんじゃないかな。」
むむむ…まぁ、色々考えさせられた一日にもなりましたが、
とりあえずは、私たちの活動をもっと多くの人に知ってほしいな、
と思いました。
そして今日はさらに、
やきいもはめっちゃおいしいということを実感しました(^^)v笑
大学(自宅)から車で30分以内に、こういう森がある、
そんな筑波も好き。
つくば環境フォーラム
http://www12.ocn.ne.jp/~tef298/index.html
間伐ホームページ 間伐材 全国森林組合連合会
http://www.zenmori.org/kanbatsu/
<文責:さちぼん>