こんにちは、みっきぃです♪
春の陽気が心地いい午後、駐車場に入ってきた1台の大きなバン。その到着を待つのは、図鑑やクイズ本、怖い話などたくさんの本を抱えて並ぶ子どもたち。
「この本おもしろかったから、借りてみたら?」「次は別のシリーズを制覇する!」そんな会話が交わされる中、車のサイドパネルが開くと現れたのは本棚。続いて後ろのドアが開くと、同じく一面に本棚が設置された車中に次々と乗り込んだ子どもたち。思い思いに本を選んでいきます。
3,500冊の本を積んで走るこのバンは、つくば市立中央図書館が1990年から運営している「自動車図書館アルス号」。2週間に1回、「あおぞら号」と「おひさま号」の2台が市内にある47カ所のステーションを巡回しています。
ステーションの範囲は小学校や公園、保育園など市内全域に渡り、1回の停車時間は基本40分ほど(場所によって滞在時間の変更あり)。
市内に在住、在学、もしくは在勤者で利用登録を済ませていれば誰でも利用でき、借りた本は自動車図書館はもちろんTXつくば駅から歩いてすぐの中央図書館や市庁舎のブックポストをはじめ指定の10カ所で返却することができます。
幅広い世代に利用してもらえるよう絵本や児童書、小説、エッセイ、旅行ガイドや趣味の本など並ぶ本のジャンルは多様。自動車図書館専用の書庫では4万冊以上の本を所蔵しており、利用者を飽きさせないよう定期的に本の入れ替えも行われています。
また、自動車図書館にない本の予約や新刊のリクエストもできるとあって、アルス号が自宅近くに来る日を心待ちにしているリピーターも多いそう。
この日、アルス号が巡回したのはTXみどりの駅から歩いて10分の「みどりの学園義務教育学校」。子どもたちのほか、「ちょっとした空き時間に利用できるのが嬉しい」「親子で出かけていたらたまたま車を見かけて、おもしろそうだったのでついてきちゃいました」と話す親子の姿も。
小さいお子さんがいる家庭からは、「図書館だと子どもが騒いでしまうけど、自動車図書館は外なので気にせず利用できます」といった声も寄せられます。
「気に入った本を1冊でも見つけてもらえるように選書も工夫しています」と話すのは、自動車図書館に携わって28年の大山さん。時代や地域のニーズにあった内容はもちろんのこと、タイトルや表紙のインパクト、挿絵の内容によっても貸し出し状況が大きく変化するそう。
また足を運びたいと思ってもらえる選書をするのが使命と話し、「アルス号を通して、子どもの頃から本に触れることで得られる楽しみを知ってほしいですね。宝探しをするように、本との出合いを楽しんでほしい」そう顔をほころばせ、次のステーションへと出発していきました。
市内47カ所を巡回する「アルス号」ですが、最近では市内のイベントにも出張。3月に初めて開催された、世界のあしたが見える暮らしを体験するイベント「つくばVAN泊」では、バンライフを送るバンライファーや個性豊かなキッチンカーに混じって存在感を放っていました。
車の中に本が並ぶ光景に興味を持ってやってくる人や、子どもの頃に読んだ絵本を見つけて盛り上がる人、図書館や本屋へ出向く機会が少ない人が本に触れるきっかけにもなっているようでした。
図書と市民との接点を増やそうと、4月(2019年)からは土曜日につくば市役所への巡回もスタート。生活をより豊かに、時には人生をも大きく変えるかもしれない1冊を乗せて、今日もつくばの街を「アルス号」が走り続けます。みっきぃがお届けしましたᕕ( ᐛ)ᕗ
運行周期:2週間に1回
運行日:火~土曜日 ※雨天時、中止
★運行場所、時間については、HPのスケジュールからご確認ください