「この街に住んで本当に良かった」
街を語る住民たちの表情が、何よりもその街の魅力を現すバロメーターなのかもしれない。
TXで最短29分という都内への好アクセスは然ることながら、自然と共存した住環境に魅了されこの地に住まいを構える人は少なくありません。
つくばみらい市にある自宅の隣で、小さなジャム工房「ほぽぜきっちん」を営む鈴木加恵さんもその一人。
結婚後、家族で暮らす場所を求めて土地探しをスタート。当時、夫婦共に都内通勤だったこともあり都内へのアクセスと子育て環境を考慮し浮かんだ候補地はTX沿線エリア。みらい平駅から車で5分ほどの現在の土地を紹介された時、眼下に広がる豊かな景色に一目惚れしたと言います。
「家の目の前に広がる田園風景、水が張った田んぼに映るのはこぼれんばかりの夕陽。夏に響くカエルの合唱も心地よくて。自然や生き物と共に暮らす生活がここにはある。この街に住んで本当に良かった」
お店を構える富士見ケ丘エリアの名称は、富士山が見えることに由来。好天時には、その雄大な姿をはっきりと望むことができる絶景スポットでもあります。刻一刻と変化するそのドラマティックな景色は、自然からの贈り物。大切に守られてきた景色が、この街に人々を惹きつけているのかもしれませんね♪
加恵さんが仕込むのは、つくばみらい市やつくば市など地元で育まれた旬の果物が中心。食べ慣れたはずの果物も、とろ火でじっくりと煮込まれたそれらはまるで別物。果実たっぷりのとろりとした舌触りと手作りの繊細な味わいは、毎日の食事をちょっと特別な時間へと誘ってくれるよう。
専門学校を卒業後、パティシエを目指し都内をはじめとする有名洋菓子店や本場フランスに渡り研鑽を積んだ他、酪農家や乳業メーカーにも勤務。洋菓子への思いはもちろん、「牛を語ると長いですよ~」と話すほどの乳製品に対する強い思い入れから生まれた「クリームジャム」「チョコ×珈琲」は、お店の看板商品として人気を集めています。
そして、「ほぽぜきっちん」の棚に並ぶジャムたちは、まるでお気に入りの服を身にまといおめかしをして出かける女の子みたい。「今日はどこに行く?」なんて心の中で語りかけてしまいたくなる可愛さです♪
水玉のファブリックにリボンの梱包。そこには「コンフィチュールの妖精」と称され世界中にファンを持つフランス人パティシエール、クリスティーヌ・フェルベールの元で働いたときに受け継いだスピリットが生きています。
「どんなに忙しくても、くたくたでも、仕込みが終わった後にヌー(リボンがけの作業のこと)をする彼女の姿を今でも鮮明に覚えています。一つひとつ丁寧に、心をこめて」
取材に伺ったこの日、瓶詰めされ並べられていたのは新潟から取り寄せた「ル・レクチェ」という品種の西洋なしを使ったもの。その香りに衝撃を受けてから数年越しの思いが実り、商品化に辿り着きました。また、在宅介護で暮らすお子さんを持つ母として、同じような環境にいる親子でも出向くことのできるバリアフリーカフェの実現にも意欲的。
「まだまだジャムにしてみたい果物がたくさんあるんです。いつかは洋菓子も作りたいし、やりたいことがいっぱい」
昔から、お菓子を食べること以上に誰かのためにそれを作るのが好きだったという加恵さん。ジャム工房を始めて3年目、味わう人の喜ぶ姿を想像しながら溢れ出る夢の実現に一歩ずつ歩みを進めています。
今の自分にできることから、一歩ずつ。ご家族との時間を大切にしながら夢を描き続ける加恵さんが作る、甘く優しいジャムの味わいに、前向きな力をもらったみっきぃなのでしたᕕ( ᐛ)ᕗ
住所:〒300-2417 茨城県つくばみらい市富士見ヶ丘4-8-4
TEL&FAX:0297-44-9489
営業日:日・火 10時~12時 ※営業日時は変更することがあります。事前に電話でお問い合わせください