「キャー!」「うわ~やっべぇ」
つくば市立桜並木学園並木小学校で行われた、ある日の授業のひとコマ。興奮と驚きが入り混じった、好奇心に満ちた子どもたちの声が教室から響き渡っていました。
3年生を対象に行われていたのは、「サイエンスQ」という筑波研究学園都市交流協議会(筑協)が小中学校で実施している科学技術の出前授業。
国内にある研究機関の3割が集積するつくば市では、研究所を一般公開して行われる春の「科学技術週間」、夏の風物詩となった「つくばちびっ子博士 」など、親子で科学に親しむことのできるイベントが盛りだくさん!
そんな研究学園都市ならではの学びの機会は、研究所を飛び出し交流センターや教育機関にも広がっています。つくば市、つくばみらい市、守谷市をはじめとする地域を研究員が訪問し、それぞれの専門分野を楽しく紹介してくれると人気なのが今回紹介する「サイエンスQ」。
この日、身近な昆虫をテーマに授業を行っていたのは、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構の笠嶋めぐみ研究員。
今年大きな話題となった特定外来生物のヒアリをはじめ、蚊やダニなど、子どもたちにも馴染みのある例を挙げ、「昆虫によって人が危険にさらされる確率」「なんで蚊やダニは血を吸うのか?」「そもそも、昆虫の定義は?」など、身近な切り口から昆虫を紹介。
この日はオープンスクールだったため、教室の後ろには親御さんの姿も。「あ~、確かに。なんでだろう?」と、子どものみならず、大人たちも興味深そうに授業に聞き入っていました。
「?」が「!」に変わっていく内に、どんどんと熱を帯びていく子どもたちの眼差し。そんな頃、教室に運び込んだ大きな荷物の中から、笠嶋先生が取り出し始めたのはボウフラや蚕の幼虫など。
次から次へと登場する虫たちに、大興奮の子、絶叫する子、教室から逃げ出すお母さんたち(笑)昆虫を間近で観察、触っている内に、子どもたちからは新たな疑問が溢れ出してきます。
「何を食べているの?」「触っても危険はない?」「成虫になった姿は?」
教室を歩き回りながら、児童たちの疑問をフォローしていく笠嶋先生。一人ひとりの学習意欲を刺激し、その場で専門家に質問ができるのも「サイエンスQ」の醍醐味なんですね♪
また、この様子は収録され「ラヂオつくば」を通じて全世界に発信されているので、受信環境があればどこでも、誰でも学びに触れることができるのも大きな魅力。
そう教えてくれたのは、平成23年度の立ち上げから「サイエンスQ」を支えてきたラヂオつくば番組プロデューサーの井上忍さん。
各研究機関と小中学校の橋渡し役として、授業をコーディネートする傍ら、自ら体を張って研究員をサポートすることもしばしば。
生徒145人分の海藻標本を作るため、ワカメを求め冬の大洗海岸へと出向いた研究員と井上さん。教壇で話すだけではなく、見て・触って・自分で考えることに重点を置く授業では、準備をする研究員らも本気!
どんな物を準備していったら興味を持ってもらえるのか。ラヂオのリスナーにも分かりやすい伝え方とは。授業内容を何度も練り直して本番に臨んでいるそう。更には、1年かけて材料を準備してくれる研究機関、児童・生徒の反応や感想をまとめて送ってくれる先生がいるなど、子どもたちの学びを支える協力体制が年々築かれています。
幅広い分野の専門家による知に触れ、多様な視点から学びを掘り下げることができる。そういったレベルの高い教育環境もつくばエリアへの移住が進んでいる魅力の一つ。
数年前まで、カガク?ナニソレ?状態な私でしたが、今では科学にまつわる本を求めて書店に足を運ぶ程。つくばという環境は暮らす人の意識をも変え、生活をより面白くするきっかけに出合える街だな~と改めて感じたみっきぃでしたᕕ( ᐛ)ᕗ
何歳になっても枯れない、「なぜ?」から始まる好奇心。子どもから大人まで楽しめる科学授業に耳を傾け、その楽しみにどっぷりと浸かってみてはいかがでしょうか♪
放送日時は、番組表でご確認ください