久しぶりにつくばエリアへ帰郷した友人たちの中には、ここ数年の変化に驚く人も多い。
発展を続けるつくばエリアでは、長い歴史に幕を閉じ、来春から新たな場所でスタートを迎える小学校があります。
情緒ある街並みが残されている、つくば市北条。筑波山麓に位置し、筑波山参拝道として三代将軍徳川家光が整備した「つくば道」や、国の登録有形文化財に登録されている建物などがある歴史を感じられる地域です。
街を歩いていれば、「こんにちは~」と子どもも大人も声をかけてくれる和やかな場所。街ぐるみで子どもを見守るという文化が当たり前に根付いているこの地域で暮らす子どもたちが通うのが「つくば市立紫峰学園北条小学校」。
明治7年に創立した同小学校(※つくば市立北条小学校と改称したのは、昭和63年)は、昭和5年に現在の場所へ新築移転してから86年の月日を重ねてきました。
多くの児童と時を共にし、その旅立ちを見送ってきた北条小ですが、今年度いっぱいでの閉校が決定。平成29年4月には、筑波東中学校、筑波小学校、田井小学校、小田小学校と統合し、施設一体型小中一貫教育校「つくば市立秀峰筑波義務教育学校」としての開校に向けた準備が進められています。
そんな北条小では、第6回、閉校を前にした最後の「北条小まつり」が開催されました。
学年ごとに、音楽劇や合唱、ダンスや群読などこの日までの練習の成果を発表する子どもたち。親御さんや先生、卒業生たちは、さまざまな想いを胸にその姿を見守っていました。
緊張の発表が終わった後には、閉校記念として企画されたワークショップ「北条小思い出ゴブリンプロジェクト」を実施。
ゴブリンと言えば、以前こちらのブログ「夏の特別なアート体験♪ゴブリン博士のワークショップ」でもご紹介しましたが、筑波大学大学院で芸術を専攻している「ゴブリン博士」こと、小中大地さんが提唱する“いたずら好きな妖精”という意味を持つ言葉。
全国各地、時には海外にも飛び出して、人との交流を通じて、森羅万象に宿るゴブリン制作をしています。
はじめに子どもたちへ与えられたミッションは、校内の思い出深い場所へ行って自身で写真を撮るということ。
大好きな給食も、苦手な授業も。思い出の詰まった教室
駆け上がりたいくらい嬉しいことがあったとき、足取りが重たかったときも一段一段をしっかりと上った階段
サッカーでゴールを決め、逆上がりに成功して、友だちと喜んだときのこと
どの子もその場所を選んだ理由を一生懸命に説明してくれました。
思い出の場所を想像し、そのときの記憶を振り返る。新しい学校に行って、大人になってからも、その思い出は子どもたちを支えるものとなっていくだろうな~。思わずウルッとする私を横目に、子どもたちは楽しそうにその写真へ、目鼻口、髪の毛や指を付けて生命を吹き込んでいきます。
「見てみて!おばけゴブリンだよ~」
ハロウィンを意識した、怖かわいいゴブリンが子どもたちの記憶と想像力によって、続々と生まれていました(▼皿▼)~♪
手伝うお父さん、お母さんたちも真剣そのもの。自身も同校の卒業生という方も多く、「自分だったらどこの写真を撮りますか?」と尋ねてみると、天を仰ぎ見て懐かしい記憶を思い起こしているようでした。
熱心にアルバムを見つめる大人たち
久しぶりに見る昔の姿に、今じゃすっかりお父さんになった大人たちも大盛り上がり
楽しそうにアルバムをめくっていた女性たちは、この学校の卒業生。自身の子どもたちも現在北条小に通学しており、「親子代々通った学校がなくなるのは寂しいけど、新しい場所でもたくさん友だちをつくって欲しい」と話していました。
来年から小学校へ入学する子どもたち。楽しそうな様子を体育館の後ろから見つめ、目を輝かせて小学校への期待を膨らませていました^^
来年4月。筑波山に桜の花びらが舞う頃には、各校それぞれに受け継がれてきた歴史や文化が融合して、新たな歴史がつくばで幕開けます!
みっきぃがお届けしました~ᕕ( ᐛ)ᕗ