どーも、ヤギッチです♪
以前ご紹介した「駅前キャンパス」、今年も開催したので行ってきました♪
「駅前キャンパス」は、科学の街つくばをより身近に感じてもらおうと、筑波大学の大学院生ら有志による「つくば院生ネットワーク」が主催となって行われるようになり、今年で3回目。
前回までは、つくばエクスプレスつくば駅の改札を出てすぐの広場で開催されていましたが、今回は駅前に新しくできたBiViつくばの2階、筑波大学 サテライトオフィスと同じフロアにあるつくば総合インフォメーションセンター(交流サロン)で行われました♪
改札前で行われていた時は、本当にフラッと立ち寄ることができるのが利点でしたが、こちらの会場は落ち着いた雰囲気で、じっくり講演などを聞くことができます♪
今年のテーマは「民俗学」。
今までは理系のテーマだったので、人文社会科学は初めての試み。
「世間では人文社会科学が縮小の動きになっているので、そういった動きに対して、人文社会科学も面白くて大切な学問だということを伝えたかった」
と今回の駅前キャンパスの主催者の方はおっしゃっていました^^
パネル展示の他、講演も計4名の講師の方を招き行われましたよ♪
私が聴講した講演の一人目は筑波大学OBで、現在は妖怪研究家として活動している方!
「チュパカブラとぬらりひょん-妖怪研究の国際化に向けて-」をテーマにお話を伺いました^^
まず妖怪を数える単位を教えてもらいました。
「1匹、2匹」だと思っていたら、「1種目」「2種目」と数えるのだそうです!
妖怪には大きく分けて下記の4つに分類されるとのこと。
・現象…不思議な現象のこと。突然行き止まりになる「ぬりかべ」、小豆を洗う音がする「小豆洗い」などが代表例。
・存在…不思議な現象を起こす存在。鬼や河童、天狗や一つ目小僧など。
・場所…不思議な場所。「足洗邸(あしあらいやしき)」や、お菊さんでおなじみの「番町皿屋敷」などが有名。
・行為…不思議な現象を起こす行為。丑の刻参りやこっくりさんなど。
「匹」だと「存在」しか示さないため、「種目」を単位にしているのだとか。
そして本題のチュパカブラとぬらりひょんに関して^^
チュパカブラは、1995年プエルトリコで、ヤギなどの家畜が殺され、首から出血しているという事件が多数が起こり、「変な生き物を見た」という目撃情報が出たことから、噂されるようになりました。
チュパカブラが世に広まったのは、インターネットの普及や世紀末が近いなど多数の要因が絡み合っていますが、新聞が取り上げたことも大きな一因。
その新聞に一人の目撃証言の図が掲載され、チュパカブラ=この姿というイメージが確立したのだとか。
ぬらりひょんも、今では「妖怪の総代長」として有名ですが、本来は違ったのだそうです。
江戸時代の絵師や水木しげるさんなどが作品に取り上げて流通する際に、少しずつ付け加えられた情報があります。
それがまた違った出版物などで紹介され、その過程でいつの間にか「総代長」として取り上げられるようになり、定着しました。
有名になった経緯が、チュパカブラとぬらりひょんが似ているのだそうです。
昔ながらの妖怪も、少しずつ変化しているのですね…
すごく面白い講演でした^^
次は「海をめぐる日本とイタリアのミッシリンク-「漁業」民族研究における魚と珊瑚-」をテーマにした筑波大学の先生によるお話。
こちらの講演ではプロジェクターを使用しました!
つくば総合インフォメーションセンター、こんな設備もあるんですね!!
今後、セミナーなどたくさんの方に使用されるスペースになりそう!
イタリアのフィレンツェに1年間、研究のために住んでいた際、「珊瑚」のショップが数多くあることに気づいた先生は、なぜだ?と思い調べ始めたのだとか。
調べてみるとイタリアの珊瑚産業の歴史は古く、元々は魔除けとして身につけたり、下痢止めに使用したりしていたのだとか。
それが15~16世紀、ジェノバを拠点に珊瑚産業や加工業が発展しました。フランスよりの地中海でベニサンゴが多く採取されましたが、18~19世紀になるとフランスとイタリアで漁場紛争が起こるなど無秩序化してしまいました。
珊瑚は数に限りがある…何とか珊瑚を入手したいイタリアの商人たちは19世紀、日本に足を運びんだのだそうです。
日本で珊瑚が採れるのは高知や鹿児島、沖縄に長崎など。イタリアの商人たちは、神戸に事務所を構え、高知などの漁村に自ら足を運んで買い付けを行いました。
…すごく熱心ですよね!!
今でもイタリアの珊瑚に関わる人たちが、神戸に姉妹都市になろうと誘ったりするなど、珊瑚を通じてイタリアと日本は密接な繋がりがあるのだとか。
こちらの先生は本来、日本の民俗学…主に東アジアを中心に研究されている方。
それがイタリアの地で、ふと疑問に思ったことを掘り下げて突き詰めていく経緯が、すごいなと感心しました。
「それまであった自分の中の既成概念が覆され、なんで?と疑問を抱き、それを調べるのが民俗学の醍醐味です」と先生はおっしゃっていました。
2つとも、とても面白い講演。
民俗学って、今まで触れたことないと思っていましたが、実は一番身近な学問です。
生活に溶け込んだ文化は、普段暮らしている中では当たり前の出来事過ぎて素通りしてしまいがち。でも、ふと立ち止まって調べてみると、面白い発見があったり、改めて大事な文化だと実感したりすることがありますよね!
私もこういったブログを書き始めて、改めてつくばならではの文化や特産品など、知らないことをたくさん学んでいます。とても楽しく学べています^^
当たり前のことを当たり前とせず、疑問に思うことから始まる学問が、民俗学なのかもしれません。
その疑問を抱くのが、なかなか難しかったりするんですけど(^^;
学ぶとはなんぞや?を考えるきっかけを与えてくれた駅前キャンパスに感謝!
以上、向学心がムクムク湧き出てきたヤギッチがお送りしました♪