こんにちは。染谷です。
先日は国際生物学オリンピックのお話をさせて頂きましたが
本日は実行委員長を務める沼田治先生のつくばスタイルについて
インタビュー形式でご紹介しようと思います。
沼田 治 博士(理学)
筑波大学大学院 生命環境科学研究科 教授
<染谷>沼田先生は普段は大学で
どういった研究をされているのでしょうか?
<沼田先生>私は生物がどのように食物から
エネルギー(ATP)を合成しているのか
というエネルギー獲得系に関して興味があり、
これを研究しています。
研究室ホームページ:http://www.biol.tsukuba.ac.jp/organelle/index.htm
最近、注力して研究しているものはお茶の中に含まれている
『高分子ポリフェノール』です。
よく「カテキンなどが含まれるお茶を飲むと健康に良い」という
お話がされると思いますが「それは、なぜか?」と思い、
お茶の成分を研究してみたところ
この中に含まれる『高分子ポリフェノール』が
大きく作用していることが分かりました。
この『高分子ポリフェノール』はエネルギー合成の場である
ミトコンドリアを活性化することが示されており、
脂肪の分解や筋肉の持久力増進にも影響している
可能性があります。
<染谷>なるほど。早く全容を明らかにしてほしい研究ですね!
先生は大学で研究するだけでなく、
つくばで生活をされていると思うのですが、
つくばに対しては、どのようなイメージがありますか?
<沼田先生>私はつくばの農村部に家を建てて住んでおり、
周囲には大根、ネギ、ジャガイモなど
おいしい野菜を作っているおじいちゃん、
おばあちゃんが住んでいます。
そういった田園地帯から車で少し走ると、
中心部には大学や研究機関がある。
こういった食料生産地と研究がつながった
バランスのとれている環境は
きっとつくばにしかないものだと思います。
一言で言えば「農村の中にある科学の街」です。
ここに住んでいると、「良い生活って何だろう?」と
思わされるきっかけが多くあります。
例えばつくば市で行われている『3Eフォーラム』では
将来目指すべきライフスタイルを
環境(Environment)、エネルギー(Energy)、
経済(Economy)に配慮したものと考えていますが、
私は農村部での自分の体験から
ここに食(Eat)を加えたほうが
よいのではないか、と思っています。
良い物を食べ、エコに配慮し、
なおかつ充実した経済活動が営める
そんな生活をするのに、
つくばは最高の街ではないかなと思っています。
<染谷>最後に読者の方へメッセージをお願いします。
<沼田先生>私は上記で述べた
4E(Environment, Energy, Economy, Eat)に配慮した
人間生活が、このつくばでもっともっと生まれていけば
いいなと思います。
その為にも、上手くつくばの農家を仲間に引き入れて
4Eを大事にした生活を皆様に送って頂ければと思います。
<文責:染谷>