左手に絵筆を握り、湧き出るインスピレーションそのままに筆を走らせていく一人の女性。リズミカルに描かれていくその絵には、温かさと生命の瑞々しさがあふれているよう。
ここは、TXみどりの駅から約5分の場所にあるコインランドリー。店内の真っ白な壁や柱にペイントを施したのが、RingoChan!の名で活動するペインティングアーティストの飯泉あやめさん。
武蔵野美術大学を卒業して数年、現在は地元であるつくばに拠点を置いて絵を通じた表現活動やワークショップなどを行っています。
「身近なところから人を幸せにしたい」
そう話すRingoChan!が込めるメッセージは“love & happy”。それは、自身の表現方法そのものにも現れています。
あやめさんの利き手は右手。普段の生活はもちろん、繊細で緻密な絵を描く時に使うのは右手。だけど、RingoChan!の絵は左手から生み出される。なぜ、敢えて利き手と逆の手を使うのでしょうか?
「利き手は思考と直結してしまうので、こう描くべきという概念に縛られてしまう。子どもの頃に感じていたような、絵を描くのが好きという純粋な衝動だけで描いてみようと左手を使い始めたんです」柔らかな笑みを浮かべながら言葉を継ぐ。
「こうあるべきという意識にとらわれずに、ありのままの自分とその自分から生まれる表現を受け入れることは、自分を愛することでもあるんです。だから、絵の根源にあるのは愛。そしてその先に幸せが生まれるんです」
それを聞いて、納得。初めてRingoChan!を見たとき、なんて楽しそうに描く人なんだろうと惹きつけられたこと。そこに描かれているものが、今にもキャンバスから飛び出しそうに伸びのびとして自由なこと。彼女の表現そのものが、見る者の感性を解放していくよう。
とは言え、あやめさんが目指すアートと人の関係は決して特別なものではありません。わざわざ足を運ばないと見られないものではなく、日常とアートとの接点をもっと身近なものにしていきたいと話します。
コインランドリーでのウォールペイントもその一つ。洗濯という日常の中で、ふと視界に入った絵が誰かの刺激になり、ほんの数分でもその人の時間に色を添える。絵をきっかけに会話が生まれることもあり、店内に置かれた自由帳の中でもゆるやかな交流が育まれています。
また、自由に描くきっかけとして、不定期でのワークショップも実施。子どもの参加者が多いけれど、もちろん大人も大歓迎だそう。自分を解放して、思うがままに表現する時間に没頭してみてはいかがでしょうか♪
「つくばの暮らしの中に、アートが当たり前にある光景を増やしていきたい」と話すあやめさんの姿はやっぱりとっても楽しそうで、今後どんな日常の景色を創り出していくのかその活動に期待が膨らむのでした。
もっとこうしなくちゃと、いつの間にか自分で自分を窮屈にしているのかも。ありのままの自分を愛する。そのきっかけをもらい、身体の中をす~っと気持ちのいい風が通り抜けていったみっきぃがお届けしましたᕕ( ᐛ)ᕗ
【RingoChan!】
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