どーも、ヤギッチです♪
つくば市が日本一の生産量を誇る「芝」。
その芝畑が広がる地域で、ほうきを作って約60年の職人さんがいます。
そこで今回は、かつてつくばの産業だった「ほうき作り」をご紹介♪
伺ったのは、以前ご紹介した「つくばスローマーケット」に出店していた「つくばのほうき工房」。
突然ですが、皆さんは「ほうき」が何で出来てるかご存知ですか?
ほうきは、写真の「ホウキモロコシ(以下、ほうき草)」というサトウキビのようなイネ科の植物からできています^^
明治後期、栃木県鹿沼市で奉公をしていた中島武平が、ほうき草の種を持ち帰り、つくばでも栽培・製造されるようになりました。
ほうき草はつくばの土壌に合っており、瞬く間に生産農家が急増。
昭和30年代頃まで、つくばの大穂地区はほうき草で覆われ、ほうき作りが一大産業として成立していました。
しかし昭和後期、掃除機の普及でほうきの需要が激減。更にゴルフ場ができるようになると、ほうき草から芝を育てる農家が増えていきました。
現在ほうき草を育てているのは、つくば市内では数えるほど…。
つくばのほうき工房は、そのほうき草を栽培している貴重な工房です♪
ほうき草は5月に植え、8月に実をつける前の「若採り草」で収穫します。
若採り草で作ったほうきは、しなやかで柔らかく、畳の目のゴミもすくい取り、フローリングの床も傷つけません^^
また、手ほうきに代表される短いほうきなど、ほうきにもさまざまな種類があります。
どのほうきを作るのかに合わせ、ほうき草の生育を種まきの段階で調整します。
短いほうきを作る場合はほうき草を群生させ、長いほうきの場合は間引きをして高く育てるのです。
「間引きの具合は、経験で覚えていくしかない」と職人さんはおっしゃっていました。
収穫は、葉の軟らかい夏の夜明け前に行います。
茎の部分を曲げたりつぶさないよう1本1本手で刈り、葉を剥きます。
長さを切り揃え、釜で湯がき、天日干しします。
1日に何回もひっくり返しながら、4日連続で干すのだそうです。
…想像するだけでも、実に骨の折れる作業です。
そこから、ほうきを編む作業に入っていきます。
素早くほうき草と針金を編み込んでいきます。
ほうきの種類や編み方にもよりますが、ベテランの職人さんでも1日に作れる本数は、2~3本。コツコツと、丁寧に編んでいきます。
最後の仕上げ。ほうきの先の部分を小刀で切っていきます。
まとめて穂先を真っ直ぐに切る機械もありますが、小刀で穂先をザクザクと切ると、部屋の角まで綺麗にゴミを掻き出せるようになるなど、掃き心地が全く違うのだそうです^^
右側のぷっくりと膨らんだものが、今回編んだ「蛤(はまぐり)」と呼ばれる編み方。
言われてみると、蛤のような形をしていますね♪
編み方もいろいろ種類があり、職人さんによって異なるものもあります。
左側のデザインは、つくばのほうき工房オリジナルのもの。
ピンクとヨモギ色の飾りは「麻の葉」の模様。
丈夫に育つ植物「麻」にあやかり、赤ちゃんが丈夫に育つという縁起物です。
最近、「赤ちゃんが寝ている間に掃除ができる」とほうきを買い求めるお母さんが多いとのこと。
また、エコの観点からも「ほうき」が若者を中心に見直されているのだとか。
再び、つくばでほうき草の畑が増えるかも…!
以上、ほうきがあれば夜中にも掃除できる!と気づいたヤギッチがお送りしました♪