こんにちは、つくスタ特派員のゆうママです。
世界最大級のプラネタリウムや先端の科学技術・身近な科学に親しめる「つくばエキスポセンター」。
この夏の特別展では、近年話題になっている「ロボットと人工知能」をテーマに、実際のロボットの実演や体験、最新研究等、さまざまなロボット技術が集結!
また、特別展に関連して「ロボット・サイバニクス技術が拓く私たちの未来~革新的サイバニックシステムの最前線~」と題し、ロボットスーツHALの開発者・山海嘉之先生を講師に講演会が行われました。
山海先生が開発した「ロボットスーツHAL」は、人間の身体機能の拡張および増幅を目的に開発された、つくば発で世界初のサイボーグ型ロボット。
装着した人間の生体電位信号から人間の意志を読み取り、人間の思い通りに動き、人間のような動作を実現することができる革新的な福祉機器ロボットです。
歩行困難な難病患者のリハビリの助けとなるだけでなく、「歩けた!」という信号を脳が受け取ることで歩行機能の回復をも担うそのロボット技術は世界で注目され、これまでに世界テクノロジー賞大賞、経済産業大臣賞、米国エジソン賞金賞等数々の名誉ある賞を受賞しています。
今年春には「ロボットスーツHAL医療用(下肢タイプ)」が保険適用となり、ロボットスーツHALはその最前線のロボット技術で私たちの未来を拓いています^^
「ロボットは人や社会に役立ってこそ意味がある」とおっしゃる山海先生。
HALは疾患や麻痺などの歩行困難者の助けとなるだけでなく、介助者の負担を減らし、高齢者が増える社会の中で介護等でもロボットを介して負担を軽減しサポートしていくことができます。
医療・福祉の分野のみならず、身体機能を改善・補助・拡張するその技術を応用し、重作業支援、災害現場でのレスキュー活動等幅広い分野での実用化も進み、その活躍に期待されています。
また、山海先生は、ロボットの街つくば・研究学園においてロボットスーツHALを活用した高齢者住宅や病院、研究所などを整備する「サイバニックシティ構想」にも着手。
ロボットサイバニクス技術が、地域社会が直面する課題を解決できる街づくりをしていく…
「ロボットが人を助け人と一緒に生きる社会、ロボットと歩む社会」がそう遠くない未来にあるのだということを感じます。
こうしたロボット開発に力を注ぐに至る、ご自身の生き方も山海先生はお話くださいました。
小学校の卒業文集にはすでに“科学者になる”と記していたという山海少年は幼少期から科学や実験が大好き。
電子回路の設計やカエルの筋肉での機能的電気刺激実験をしたり、部屋には試験管や顕微鏡など実験道具が溢れ、実験に明け暮れていたのだといいます。
「研究の道に進んだとき、自由に実験して過ごした幼少時の経験がいきて、ロボットを作る夢を叶えました。小中学生の時期は黄金時代。科学に限らず好きなものをとことん突き詰めるように夢中になってやってみるといいですね」
この言葉、講演を聞いていた子どもたちの目がキラッと輝いたような…^^
夏休み期間中であり、たくさんの親子が訪れていたつくばエキスポセンター。
講演会に参加していた親子に感想を聞いてみると、
「夏休みの学習にと家族で来ました。子どもには難しそうな話のところはサポートしつつですが、HALの具体的な実用例を知ることができました」
小学生の姉妹も「面白かった!」元気よく応えてくれ、講演を聞き入っていた様子。
子どもたちの夢を広げるように科学の世界を伝える山海先生の言葉一つひとつ、今も少年の頃の夢を追うかように語るロボットの可能性への熱い思い、講演後は未来へのワクワク感で満たされるかのような気持ち。
つくばエリアは、ロボットと共存する社会に最も近い近未来都市!
身近に世界最先端の未来を担う科学があることを誇りに思える、貴重なお話を伺うことができた講演会でした。
以上、ゆうママがお伝えしました!